吐血・喀血した際の応急手当

近くにいる人が、口から血液を吐いた、というときには、食道や胃などの消化器系からの出血である吐血、もしくは気管や肺など呼吸器系からの出血である喀血、いずれかが考えられます。いずれの場合にしろ、吐いた血液の量にもよりますが、場合によっては生命の危険性があることはたしかですので、すぐに救急車を呼びましょう。一人での対応には限界がありますので、できれば周囲の人に声をかけ、協力が得られるようでしたら、協力を依頼します。そして、自分自身は吐いている方のそばにつきそい、周りの協力をしてくださる方には、救急車を呼んでいただくようにお願いをしましょう。血液を吐いている人に意識があるようでしたら、ご連絡先を尋ね、家族などにご連絡をします。

救急車を待っている間、血液を吐いている人には、体の安静を保つために、周囲の安全を確認し、安全が確認できたら、その場所で横になってもらいます。そして、吐血・喀血により、血液で気道、すなわち、息をする道をふさいでしまうことがないように、また、血液を誤嚥してしまうことがないように、顔を横に向けてもらい、口の中の血液を吐き出してもらいます。吐き出した血液は全体の量を知るため、そして、吐血なのか喀血なのかを区別するために、救急車到着までは捨てないようにします。吐血の場合、吐き気を伴って吐くことが多く、色はあまり明るくはありません。また、食べたものが混じっていることもあります。これに対し、喀血の場合には、咳などと一緒に吐くことが多く、色は鮮やかなもので、泡が混じっていることが多いです。そういったことを救急隊が判断できるように、吐いたものを捨てないでおきましょう。また、息をしやすくするために、衣服を緩めるなどしてましょう。

引き続き、血液を吐き続けている場合、やがてショック状態になり、意識がなくなってしまう、ということもあります。また、吐いていなくとも、たとえば、胃の中に大量に出血をしている、ということもあり、急に意識がなくなってしまうことも考えられます。そのため、救急車到着までの間は、安静を保持したままでいることが大切で、仮に生あくびをし始める、とか、ぼーっとした感じになるなどした場合には、ショック状態の前兆とも考えられます。そういった場合には、足元を少し高くして、心臓に血液が戻っていくことを助け、循環を維持しましょう。また、循環が悪くなると、末梢、すなわち、手先や足先は冷たくなってしまいますので、そばにあるもの、たとえば、上着などを活用して、保温に努めましょう。

保温に努める一方で、患部、すなわち、吐血の場合には、胸の真ん中あたりから胃の近辺、すなわち、みぞおちのあたりを、喀血の場合には、胸部を冷やしましょう。冷やすことで、出血を止めることにつながります。もちろん、冷やす素材、たとえば、アイスノンなどが入手可能な場合でよいので、可能であれば冷やしましょう。また、喀血であった場合には、話すことによって、再度、喀血を引き起こすことにもつながるため、必要以上の会話をさけましょう。いずれの場合にしろ、静かにゆっくりと呼吸をすることは大切で、そのような声掛けをしましょう。
冷罨法

その際、そういったケアをする人はできるだけ吐かれている血液には素手でふれないようにしましょう。

喀血・吐血、いずれの場合も、血液を吐いた人は、少量の血液でも大変不安な気持ちになっています。不安な気持ちは、呼吸を早め息を苦しくさせたり、心臓に負担をかけたり、結果として、さらに喀血・吐血を助長するということにつながり、身体にも大きな影響を及ぼします。そのため、血液を吐いている人に対して、吐いた血液ができるだけ、その人の視界に入らないようにしましょう。そして、すぐに救急車が来ますよ、といったことを言葉がけするなどして、安心できるようにし、励まし続けるとともに、手を握るなどして、不安な気持ちに寄り添うようにしましょう。救急車が到着したら、知っている限りのこれまでの様子について、できるだけ簡潔に要点を整理して伝えましょう。

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