骨折した際の応急手当

骨にひびが入る、折れる事を「骨折」と言います。痛めた部位の骨を押して強い痛みがあれば骨折が疑われます。さらに、骨折すると腫れや皮下出血が現れ、押すとギシギシやグズグズといった軋轢音が感じられるのも骨折特有の症状です。骨折にもさまざまな種類があり、種類によって正しい対処法も変わってきます。
まず、骨がつぶれる「圧迫骨折」は若者よりも高齢者に多いです。そして骨が粉々になった状態が「粉砕骨折」です。大きな力による外傷や骨粗しょう症で弱くなった骨に多い骨折の種類になります。骨がつぶれているか、粉々になっているかで種類が異なり、レントゲン写真で判断します。また、完全に折れてはいないが亀裂がある、曲がっている場合は「若木骨折」、特定の骨に力が入ることで起きる「疲労骨折」、小さな骨片が結合部位から剥がれている「剥離骨折」、骨折部位が外に出てしまう「開放骨折」などがあります。

骨折時の応急処置ですが、まず冷やして安静にしてください。骨折は強い痛みに襲われるものです。時に辛抱できないような激しい痛みにショック状態になることもあるでしょう。激しい痛みをできるだけ緩和するために、患部をすぐ冷やしてください。患部以外の部分は冷えないよう、羽織ったりかけるものがあればかけましょう。患部を冷やす際、直接冷たいものを皮膚に当ててはいけません。氷を袋に入れたり、保冷剤をタオルで包むなど工夫をして冷やしましょう。
そしてできるだけ安静にしましょう。腫れを抑えるため、横になって骨折している部分を心臓より高い位置で安静にしてください。
ただし、骨折の種類によっては適切でない場合もあります。皮膚から骨が飛び出している場合は、何もさわらず、すぐに病院へ行きましょう。むやみにさわれば細菌が入って悪化してしまう恐れがあります。

次に、添え木や三角巾で固定します。骨折部分が不安定な状態ではいくら安静にしようと思ってもなかなかできません。骨折部分を固定することは、安静を保つためには最適の応急処置と言えるでしょう。近くに添え木となるものがあればすぐに固定してください。骨折部分の大きさに合った物を選び、木片などはやわらかい布やタオルなどで包んで使います。添え木がなければ包帯や布でも固定することは可能です。固定する時の注意点は、きつくしばりつけないようにすることです。強くしばり過ぎてしまうと血液の流れがわるくなります。また、肩・肘・腕を骨折した場合は三角巾を利用して骨折部位を支えましょう。大き目の布であればスカーフ、タオル、なんでも大丈夫です。変形しているときは、無理に伸ばしたりせずそのまま固定しましょう。骨折で骨がずれて曲がってしまうことがありますが、このずれを矯正しないと曲がったまま骨がくっついてしまいます。固定した場所に刺激を与えないように注意してください。開放骨折、高い場所からの落下で骨折した場合は命にかかわることもあるので、速やかに医療機関に受診しましょう。

処置する際の注意点ですが、骨折部位をできるだけ動かさないでください。部位を動かして状況確認しようとするのではなく、痛みや腫れ、部位の変形などで判断し、骨折の疑いがあれば骨折しているものとして処置しましょう。骨折部位を動かすという行為自体が悪化させてしまう、という意識を持ってください。特に脊髄・背骨の部分を骨折した場合は絶対に動かしてはいけません。脊髄を痛めてしまうと回復することはありませんので注意が必要です。この場合は戸板、段ボールといったような副木をあて、背骨をしっかりと固定するのが最適の処置です。背骨部分の固定は1人では出来ませんので、周りの人に手伝ってもらい、固い副木の時にはクッションになるよう、タオルのような柔らかい素材の物を間に挟んでから副木をあて、安静にしましょう。

骨折しているかどうかわからない…と悩む時でも病院は受診することをお勧めします。ケガをしたという覚えがなくても、圧痛のような痛みが続くときには骨折が疑われます。放っておけば治る、という考えは、骨折という症状の前では捨ててください。骨折を放置すればするほど症状は悪化します。骨が変な方向に曲がる、骨同士がくっつくなど手遅れになってしまうでしょう。応急処置をしたとしても、それはあくまで応急処置です。医療機関受診までのとりあえずの処置ですので、必ず医療機関にすみやかに受診してください。骨折かな?と悩んだときには、いち早く医療機関を受診をすることが、骨折部分を早く、きれいに治す最短の道だといえるでしょう。

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