ぎっくり腰の応急手当

ぎっくり腰の正式名称は「急性腰椎症」で、荷物を持ち上げようとしたり、落ちているものを拾おうとしたり、咳やくしゃみなど普段の何気ない行動やほんの些細なことで突然起こります。
これは捻挫や打撲のような状態で、慢性的な腰痛とは異なります。
「魔女の一撃」とも呼ばれるほどの激痛で、重度の場合は身動きすら取れなくなってしまいます。
もし突然ぎっくり腰になってしまったら、それほどの痛みならすぐにでも落ち着かせないと生活に支障をきたしてしまうことにもなりかねません。
ぎっくり腰の痛みは、打撲や捻挫のように急性的な症状だと考えてもらえば、応急手当の方法もイメージしやすいかもしれません。
それでは、何かの拍子に突然腰に痛みが走り、「ぎっくり腰かも?」と思われる症状が出た場合にするべき応急手当の方法ご紹介していきます。

まずやるべきことは患部を冷やすことです。
うつぶせになって腰の部分に保冷剤や氷のうなど氷水の入った袋を乗せて冷やし、安静にします。
うつぶせになるのも辛いようでしたら、横向きに寝転んで少し体を丸めながら腰の部分に保冷剤などを当てるようにします。
ぎっくり腰は、腰を痛めてから48時間ほどは炎症状態が続くと言われているので、初期段階はまずこの炎症を抑えるために冷やすことが大切なのです。
この冷やす処置を行わないと、痛みの原因である炎症物質がどんどん広がってしまいます。
冷やし続けていると強烈な痛みは少しづつ引いてくるかもしれませんが、この激痛は発症後2~3日は続きます。
冷やすのをやめてもまた痛みが出てきたら、ふたたび冷やすようにしてください。

安静にして冷やし続け、少し症状がやわらいで動けるようになったら、かかりつけの治療院や施術院、整形外科などを受診しましょう。
整形外科であれば、レントゲンやMRI、超音波診断などの画像診断を受けることができるので、より適切な処置をしてもらうことができます。
少し痛みがやわらいだからこのままよくなるかもしれないと思って病院に行かずに放っておくと、後でもっと症状が悪化してしまうことがあります。
発症した初日に病院に行って治療を受けることが、後々の痛みを抑える最善策なのです。
もし夜間や休診日で病院を受診できないようなら、ひざの下に毛布を丸めたものやクッションなどを置いて、ひざ立ちのような状態にして横になると少しは楽に寝ることができます。

それでは、続いてぎっくり腰を発症したときにやってはいけないことをご紹介します。
まずやってはいけないことは「温めること」です。
ぎっくり腰の初期段階はまずは冷やすことが大切なので、湯船に浸かることや温湿布などで患部を温めるのはNGです。
温めてしまうと炎症物質がよけいに広がってしまい、痛みがおさまるどころか逆に悪化してしまいます。
どうしても入浴したい場合は、サッとシャワーを浴びる程度にしましょう。
次にやってはいけないことは「もみほぐすこと」です。
マッサージやストレッチなど、患部を直接刺激したり無理やり動かすのは控えます。
痛めた患部を無理に伸ばしたり刺激したりすると、よけいに炎症が広がってしまいます。
ご家族に頼むなど、知識や資格のない人によるマッサージはやめましょう。

ぎっくり腰は一度なってしまうと再発することがよくあります。
急性期の激痛が2~3日、痛みがやわらぐまで1週間、痛みがおさまったなと思っても3~4週間は様子を見てください。
1ヶ月くらいは無理のない生活をしないと、すぐに再発してしまいます。
荷物を持ち上げたり、うつぶせ寝や座りっぱなしの作業、咳やくしゃみも要注意です。
もし再発してしまったら、くり返しになりますが、初期段階はまずは同じように患部を冷やして安静にするようにしましょう。
その後、症状が落ち着いたら病院を受診して治療してください。
再発をしないためには、普段の行動に注意をするほか、食生活の見直しや飲酒を控える、適度な運動など、健康的な暮らしをするように心がけましょう。

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