気管支喘息になった際の応急手当

気管支喘息とはアレルギーの刺激により気道が過敏に反応しやすくなり、気道が狭くなることを発作的に繰り返し起こしてしまう病気です。

主なアレルギーの原因としては、チリやダニ、ハウスダスト、カビなどとされていますがアレルギーの原因が不明なケースもあります。
発作時の特徴として「ゼーゼー」、「ヒューヒュー」といった呼吸となってしまう「喘鳴」やそれに伴う呼吸困難が挙げられます。また、早朝や夜間に発作が起こりやすいことも知られています。
気管支喘息は子供から成人、高齢者までかかる病気で、重症化すると死亡するケースもあるため、注意が必要です。
治療は主に吸入器を用いたステロイド薬の投薬治療になりますが発作時は適切な処置をしなければなりません。
そこで気管支喘息の応急処置についてご紹介していきます。

応急手当の基本

まず、発作が起きた場合は患者が安静となれる姿勢にします。
痰が絡みやすくなり、痰が絡むと咳が激しくなるため体を起こして座らせるのが楽になれる姿勢です。
呼吸を落ち着かせるとともに、絡んだ痰を排出しやすい体勢をとります。前傾姿勢になると咳と一緒に痰が排出されやすくなりますので無理に出さなくていいですが可能なら痰を排出しましょう。
咳が落ち着いたら水分補給も行いましょう。コーヒーに含まれるカフェインにはテオフィリンのように交感神経を活発にするなど、気管支を拡張する効果が認められているのでオススメですが、カフェインと喘息の治療薬であるテオフィリンは飲み合わせに注意が必要なため、応急処置の後、念の為医師の指示を仰いでください。

症状の段階と段階別の対処

気管支喘息の発作の段階は主に以下の4段階に分けられます。

(1)軽度、小規模発作
生活に支障が出ない程度の咳や軽い喘鳴がみられます。この時点では経過観察になります。
軽度から少し進行すると喘鳴や痰の絡みが増え、胸の一部が引っ込むような陥没呼吸と呼ばれる症状も表れます。この陥没呼吸も症状の進行にしたがって変化していきます。

(2)中規模発作(中発作)
横になるのが辛くなるなど、日常生活に支障が出始めます。
明らかな喘鳴と息苦しさ、陥没呼吸も喉の下、鎖骨上部や肋骨間の引っ込みが目立つようになります。

(3)大規模発作(大発作)
喘鳴の悪化、呼吸困難が起こり始め、どんな体勢でも息苦しさを感じる為、歩行や会話が困難になります。
この段階になると入院による治療が必要になります。

(4)重篤症状
入院による治療はもちろんのこと、呼吸困難が悪化し呼吸困難により血中の酸素濃度の低下を招く「チアノーゼ」を起こす場合があります。
チアノーゼを起こすと皮膚の色が青紫色になるため周囲の方はすぐに医師を呼んでください。

以上の4段階に分かれますが、軽発作までであれば吸入器や気管支拡張薬の服用などを行い、状態をみて医師による診察となりますが、中発作より進行している場合は救急搬送の必要があります。

喘息発作を起こさないための予防

喘息発作を起こさないためには日頃の予防も効果的です。
気管支喘息はアレルギー(チリダニ、ハウスダストなど)が原因であることが多いため家など、こまめに清掃を行うことで原因であるアレルギーを吸い込まないだけでも効果的といえます。
他にも喫煙者であれば禁煙、家族に喫煙者がいるなら配慮してもらい近くでの喫煙を控えてもらうことで副流煙を防ぎ、タバコの煙を吸わないようにするのも効果的です。
また寒暖差が起こる季節の変わり目でも発作が起こりやすくなるため、体温の低下させないような事前の準備も効果的です。
上記の寒暖差による体温の低下や、過労による体力の低下で免疫力が弱まることでも発作が起きやすくなるため注意が必要です。

気管支喘息の発作時の応急処置のまとめ

・軽度の発作であれば患者が楽な姿勢で安静にし、医師から発作時の薬が処方されているなら服用して経過観察。

・中発作以降は応急手当に加え、救急搬送や医師の指示を仰ぐことが必要。

・発作を起こしにくくするために、日頃から予防に努めること。気管支喘息の原因は主にチリダニやハウスダスト等のアレルギーによって起こるため、清掃などでも予防効果がある。喫煙者の場合は症状が悪化するばかりか治療の妨げにもなるので禁煙など生活環境の改善も予防になる。

以上が大まかなまとめになりますが、気管支喘息の発作は重篤になればなるほど命の危険が増します。
咳という体力を消耗する症状が過剰に起こるため、自己判断せず速やかに医師の診察を受けることが望ましいです。

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