傷口から出血した際の応急手当

傷口から出血した際の応急手当としては、まず救急手当ての基本、「RICE」処置が大切です。
「RICE」という概念は学校の保健体育の時間などでも習うので聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
「RICE」は4つの英単語の頭文字をとってできた言葉です。それぞれ次のことを意味します。
「R」は「REST」、日本語で言うと安静になります。
「I」は「ICE」、日本語で言うと冷却になります。
「C」は「COMPRESSION」、日本語で言うと圧迫になります。
「E」は「ELEVATION」、日本語で言うと挙上になります。
傷口から出血した際は速やかにこの4つの処置を行うことが大切になりますので、それぞれの処置について詳しく紹介します。

まず「REST(レスト)、安静」についてです。
安静にするということは、傷口のある部位を極力動かさないようにするということです。
怪我をしている部位を無理に動かそうとしてしまうと、さらに傷口が広がってしまったり、血流が多くなって出血量が増えてしまい怪我が悪化する危険性が高くなります。
傷口の部位が足など、体重がかかっている部分であれば、体重がかからないように安楽な姿勢をとるようにし、必要以上に傷口を動かさないようにしましょう。
怪我をしてしまった場所が人の行き交いの多い場所など、安静にするのが難しい場合は、近くに安全で落ち着ける場所を探して速やかに移動できるようにしましょう。
交通事故を起こした場合、二次的な事故を起こさないために車を道路の端などに寄せ、安全を確保しますよね。それと同じです。

次に「ICE(アイス)、冷却」についてです。
傷口から出血している場合は痛みがあり、炎症を起こしていると考えられます。
痛みを緩和し、炎症反応を和らげるために氷やアイスパックで冷やすことが必要になります。
しかし氷を直に出血している部位に当ててしまうと、凍傷を起こしてしまったりして治りが悪くなってしまいます。
直接皮膚に当てないように氷をビニール袋などに入れたり、アイスパックをタオルで巻いてから当てたりする工夫が必要です。
氷を当てていると、ピリピリと感じた後、無感覚になり痛みを感じにくくなります。ずっと無感覚のままで氷を当て続けると凍傷の原因となってしまうので、無感覚になったら一旦外して、しばらくしてからまた当てるようにします。

そして「COMPRESSION(コンプレッション)、圧迫」についてです。
怪我で出血している場合はこのCOMPRESSIONが一番大切かもしれません。圧迫をすることによって止血をします。
止血には3つの方法があります。
直接圧迫止血は滅菌ガーゼやきれいなハンカチなどで出血している部位を直接圧迫する方法で第一にこの方法をとります。
間接圧迫止血は傷口から心臓に近い動脈を骨に向かって押さえることで止血をします。
緊縛止血は手足から大出血を起こしている際に止血帯で傷口より心臓側を強く縛る方法ですが、この方法は末梢の壊死等を起こす可能性があるため、よっぽどの大出血でない限りは安易に行ってはなりませんので注意して下さい。

最後に「ELEVATION(エレベーション)、挙上」についてです。
怪我をしている部位を持ち上げるということです。
持ち上げる際に大事なのは心臓より高い位置に持ち上げるということです。それによって、出血量を抑えることができ、痛みや腫れを軽くすることができます。
手で持ち上げるというのが大変な場合は椅子、台、クッション、枕など身の回りにある物を組み合わせて、その上に患部を置くようにし、身体に負担をかけないようにしてください。

傷口から出血した際の応急手当てとしては、以上のように救急処置の基本のRICEを実行することにより悪化の防止、症状の緩和が図れることでしょう。
血を見ると慌ててパニックになってしまいがちですが、もしもの際は4つの言葉を思い出して処置に当たってください。

スポンサーリンク
広告(大)
広告(大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
広告(大)
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。