スフィア・プロジェクト (The Sphere Project)」とは
スフィア・プロジェクトとは人道支援活動を行う国際機関やNGOなどによるぽらんたりーな活動において、被災者の権利に着目したプロジェクトとなっています。端的にいうと被災者には尊厳ある生活や援助を受ける権利があり、そのためのあらゆる手段を尽くすべきであるという理念に基づいた活動です。被災者はその状況から限定的な生活を余儀なくされることもありますが、そこに支援の限りを尽くすことで被災者になるべく快適な生活を送ってもらおうという考え方に基づいています。被災者はいわば不運によって被災したのであり、個人の責任によって避難生活を送っているのではありません。そういう点でもしかるべき支援がなされるのは当然のことと言えます。
避難所の質の向上を目指す
避難所は被災者にとって非常に重要な場所です。住居の安全が確保されるまではここを生活の拠点とすることになります。そのため、快適に眠れる環境、プライバシーが守られること、お風呂やトイレなどの整備が必要となります。例えば学校の体育館は避難所によく活用されますが、そのままでは床が固かったり、プライバシーが守られていなかったりするので布団やカーテンが支給される必要があります。お風呂の問題は避難所において非常に鍵を握っています。最近では自衛隊がお風呂を用意するケースが増えており、なるべく通常の入浴が出来るように工夫されます。カーテンだけではプライバシーの確保が十分でないケースもあり、さらなる工夫が求められています。
人間の存続のために必要不可欠な4つの要素
人間が健康的な生活を送るうえで4つの要素が欠かせないとされています。その1つ目は給水や衛生の促進です。これが損なわれると健康面に不安が残ることになります。2つ目は食糧の確保です。人間が生きていくためには食事は必要であり、また美味しい食事を取ることは精神的な安定にも繋がっていきます。3つ目は居住地やノンフードアイテムです。どこで過ごしていくのか、あるいは着るものをどうするのかなどもここに含まれます。4つ目は保健活動です。避難所では通常の生活とは異なることをいくつも体験することになります。そのうえで心身ともに健康であるかどうかをチェックし、必要に応じて適切な治療を行うことも保健活動に含まれています。
(1)給水、衛生、衛生促進
(2)食糧の確保と栄養
1つの給水や衛生は即座に命に関わる要素です。人間はまともな水分を確保できなければ3日生きることも困難となります。また、衛生環境が整えられていないと感染症などの発生に繋がってしまいます。避難所であってもしっかりと綺麗な水を供給することが重要と言えます。トイレなどの整備もここに含まれます。2っ目の食糧も言うまでもなく、生きるために必要なものです。一定のカロリー、栄養を確保することが健康的な生活を送ることに繋がります。単にカロリーや栄養が含まれているだけでなく、美味しさも大切な要素です。やはり美味しいと感じられるものが食べられることが精神の充足に繋がり、食事が心身に与える影響は非常に大きいといえます。
(3)シェルター、居留地、ノン・フードアイテム(非食糧物資)
(4)保健活動
3つ目は住むところやノンフードアイテムです。震災の後には余震が発生する可能性もあるため、安全の確保できる場所が欠かせません。安全であるだけでなく、一定の快適性が保たれていることも重要となります。ノンフードアイテムの中には衣類なども含まれます。ある程度自分の好む服装を着用することは生きていく上で大切なことです。4つ目の保健活動は体調をチェックしたり、しかるべき治療を行ったりすることを表します。避難所生活では身体的な不調だけでなく、精神的な不調も起こりやすくなります。そのため、保健活動の重要性は極めて高くなっています。避難所での伝染病を予防するために予防接種や医薬品の摂取がなされることもあります。