停電したら、トイレや冷蔵庫は使えない?水も止まる場合がある?電話で連絡できるの?

震度7に耐えた本棚

今年は、大阪北部地震に次ぐ西日本豪雨に続き、大型台風21号、北海道胆振東部地震と災害が次々と発生しました。
特に9月初旬に相次いで発生した台風と北海道の大型地震の両方に共通していたのは、“停電”と“孤立”でした。
どちらもある程度事前に大きな被害の予測がついていたものの、確率的には他の危険地域より低く、まさかの事態となりました。

関西空港と北海道は、いずれも本州と海を隔てています。
そのため、一斉に電力の供給が止まり停電となると、大きな倒壊や液状化による被害がない地域でも普段の生活に支障をきたしてしまいました。
しかも観光客や旅行客など一時滞在の人達が脱出しようにも、橋が倒壊し空港閉鎖や公共交通機関が停止となったため、災害後数日間の脱出手段がほぼなくなり、孤立した状態が続いてしまったのです。
関西空港は広くても救出する人数が限られており本州が近く、輸送フェリーの運航により一晩の被災で済みましたが、北海道は3~4日を要しました。
防災に何かしらの手だてや備えをしていた北海道は、震度7クラスの地震被害ながら停電が週末にあたったため、物流や企業が動く週明けには停電がほぼ回復し、復興が予想より早く行われています。

しかしながら停電が長引くと、それだけで日常生活に支障が出てくるもろさが今回も露呈しました。
家電全てが電力に頼っているため、TV・ラジオ・パソコン・スマートフォンや携帯だけでなく、冷蔵庫エアコン、トイレや浴室、ガスレンジやガスファンヒーターまで、オール電化でないはずなのに、電気を使って使用する器具ばかりなことに気が付きます。

冷蔵庫は水漏れに注意

災害時だけでなく、冷蔵庫が停電で機能しなくなったら、まず開く回数を極力減らして冷蔵庫内の室温が上がるのを防ぐ必要があります。
最近の冷蔵庫の断熱性は高いのですが、どんなに密封していても、1日以上経過すれば冷蔵庫内の霜や氷が溶けだし、室内下辺や引き出しの下に流れ出てきます。
その量たるや想像以上なため、あらかじめ水漏れしそうな場合は製氷皿や氷は取り除いてまとめ保冷材代わりにしてしまい、床を水浸しにしないように外側のドアや引き出し下にシートや受けるトレイ等を引いておく必要があります。
内部にたまった水は、拭いて済ませられるものは拭いてしまいます。

当然冷凍庫内の生鮮食品は日持ちがしないため、食べられるものは食べてしまわなければなりません。
長引く停電時は、通電復活の際のトラブルを防ぐために、抜けるコンセントは抜いておくことも家電メーカーサイドでは推奨されています。

停電で水が止まり、ガスが使えても器具のシステムが電動で使用できなくなる!

集合住宅の場合、上の階は電力を使ってポンプで水をくみ上げているため、停電すると水が使えなくなってしまい、当然ながらトイレの水も流せません。
こうした場合のトイレは汲み置き水で流すしかなく、復旧まで簡易トイレは必需品です。

そして万が一の時のために暖房器具や調理器具を電気とガス、石油と分けている家庭が多くなりましたが、器具によっては、着火システム等が電動式となっている場合、せっかくガスが使えるのに作動しません。
湯沸し器がその代表例で、水とガスがOKでもお湯が沸かせずお風呂に入れないことになってしまいます。
ガスコンロは、電池内蔵型の場合は停電時でも使用が可能です。

阪神淡路大震災の際は、復旧が一番早かったのが電力であったため、その後にオール電化を選ぶ人が増えましたが、東日本大震災の際はオール電化の危うさが表面化し、ガス器具を使う人が増えました。
ただし、ガス器具でもコンセントが付いた電気使用のファンタイプでは意味がなく、そうでないガ仕様のス器具は限られています。
エコキュートにはメリットデメリットがあり難しいのですが、最近は太陽光発電との組み合わせが防災対策として有力という話もあります。

並ばない携帯電話・スマートフォン・パソコンの充電

北海道胆振東部地震の際は、全域で停電が続く中、地元のコンビニエンスストアであるセイコーマートが、あらかじめ災害時のための緊急発電キットを全店に配布していたことにより、車の発電を利用してレジを稼働させ、ガス器具も使い営業をしたという事例があります。

AC/DC変換できるカーインバーターと言われる物を利用したようです。
何かしらのバックアップ電力を持ち営業ができた一部のコンビニに比べるとややアナログ的なやり方ですが、これを事前に1500全店舗に備えていたということは大したものです。
停電の際には、家庭でできる手段としてこのようなカーインバーターを備えておくと、携帯電話やスマホ、タブレット、パソコンの充電が可能になります。
LEDラジオライトも最近はソーラー電源となって改良が進み、手回しに頼らず蓄電力からのプラグイン充電が可能になっています。
いずれも時間がかかるようですが、長蛇の列に並ぶよりずっとストレスが軽減します。

これまで破壊力の強い災害時には、最終的に有力な物はアナログ的な物でした。
しかし今回の北海道の地震災害時における停電時の対処法を見ていると、進化するアイデア商品の使用も悪くなく、新しい形の防災用品が誕生する日も近いと感じます。

無線LAN(Wi-Fi)がつながらない時の「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」

災害時には、携帯電話の使用は、被災地への電話が殺到し被災地以外でも電話が通じなくなる現象「輻輳(ふくそう)」が発生します。
この場合、電話会社が一時的に通信を規制します。
交換機のダウンにより、緊急番号に支障が出るのを回避することにより行われます。
回線の規制が解かれ使用できるようになるのに、地域により半日~1週間ほどかかります。

規制とは別に大きな災害により、携帯電話会社の基地局が停電したり破壊、陸上や海底ケーブルが断線すると、回線に影響が出てきます。
熊本地震と大阪北部地震、そして今回の北海道胆振東部地震の際には、無線LAN(Wi-Fi)に対応しているスマートフォンやパソコンを公共無線LANの設置されている場所に持って行くと、ネットワーク名「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」に設定することで無料で使用できるサービスが行われています。

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