地震予知にはどんなものがあるのか、地震予知はできるのか

震度7に耐えた本棚

日本人にとって、地震は避けては通れない身近なものです。地震の揺れを経験したことがない、という人はほぼいないでしょう。昔からこの災害を回避するために様々な研究が行われていますが、具体的にはどのようなものがあるのでしょう。多くの人が知る地震予知と言えば、動物を使ったものではないでしょうか。地震の前に、電磁波や水位の変化などの異常を察知して異常行動を取るというものです。小動物の方が先に前兆を感知し、遅れて大きな動物も異常をとらえると言われています。人間に飼育されている動物よりも、野生に近い環境で暮らしている動物の方が反応しやすいようです。動物は人間より感覚が敏感ですから、このような方法は有効なのかもしれません。しかし決定的な根拠はなく、研究途中というのが現状です。

植物も地震を感知することがあるといいます。「オジギソウ」という名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。葉に刺激を与えると閉じるネムノキの仲間です。この植物は「地震予知草」とも言われています。日本のある地域では、葉が閉じると地震が起きる、という言い伝えもあるようです。オジギソウの研究をしている研究者もいます。日中の静かな室内でオジギソウが葉を閉じ、その後その地域で地震が起こったのだそうです。オジギソウが葉を閉じるのは夜暗くなってからです。昼間に閉じるのは珍しいことなので、人間には感じることのできない微小な振動を感知したのではと言われています。完全に否定はできませんが、こちらも論文などの化学的証拠はありません。

また「地震雲」と呼ばれるものもあります。地震が起こる前に現れると言われている、特殊な形をした雲です。比較的低い位置に発生し、風に流されず長時間存在しているのが特徴です。その形は様々で、帯状に長く伸びるものや弓状のもの、細い雲が何本も重なっているもの、竜巻のような形をしたもの、放射線状に広がるものなどがあります。電磁波が、雲が作られる時に何かしらの影響を与え、不思議な形に生成されるというものです。地震発生前に断層とその周辺に圧力がかかり、その力によって磁場が変わって雲にも影響を与えるようです。動物や植物よりは信憑性がありますが、気象学など一般的な科学としては認められていません。ただその可能性がゼロではないということで、研究を続けている科学者もいます。

雲と同様、虹も地震の前兆として現れることがあるようです。一般的な虹はアーチ状ですが、地震の前に現れる雲は端と端が繋がっておらず、空に虹の切れ端が浮いているように見えます。発生時の空は雲がかかっており、ぼんやりとして見えます。青空の中に発生するのではなく、多くは曇り空の中で見られます。またアーチ状でも、白い雲のような虹は地震の兆候と言われています。近年の地震発生前にも切れ端のような形の虹が観測されています。偶然と言ってしまえばそれまでですが、こうして観測された後に地震が起こっている事実がある以上、予測できる可能性は捨てきれません。しかし、以前はふたつの関連性を調べていた研究者がいたようですが、現在ではほとんど行われていません。

そして現在一般的に地震予知に用いられているのは、地電流とマグニチュード、低周波音を観測し、それらを総合的に見て判断するという方法です。地電流は地震発生前に異常を示します。マグニチュードとその累積回数はグラフにすることで数値を出し、その異常を見ます。低周波音は像やクジラが聞き分けられる周波で、地震の前兆候を観測します。さらに断層のずれや地質、今までの地震研究を全て総合して地震の予知を行います。しかしこの方法も完全と言うには遠く、100%の予知はできません。そうなると、まだ今の段階では科学的根拠を伴った地震予知は不可能ということになります。大まかな予知はできても細かな日時や場所は割り出せません。今後の研究が待たれます。

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