大阪北部地震の死者数とその原因

平成最後の年に突如として関西地方を襲った大阪北部地震。震度6弱の激しい揺れが襲った大阪府内では5名の尊い命が失われる結果となってしまい、特に小学校に通う9歳の女児がプール近くの壁の倒壊に巻き込まれ死亡したという高槻市内の報道は、印象深く記憶に残っている人も多いでしょう。地震大国である我が国日本において、私たちは地震対策の重要性についてどの国よりも理解しており、いつなんどき訪れるかもわからない災害に対して警戒をしているはずなのですが、それでも今回の地震でも多くの怪我人と死者を出す結果となってしまいました。では大都市大阪府内を中心に大きな被害をもたらしたこの地震において、どのようにして5名の尊い命が失われてしまったのか。その原因についてお話させて頂こうと思います。

あの地震が発生したとき、わたくしは大阪府港区内におりました。朝08時を迎える直前に突如大きな揺れが部屋を襲い、揺れ始めて数秒後だったでしょうか、食器がガタガタ鳴る音に紛れてスマホから緊急地震速報が流れたことを今でも鮮明に覚えています。東日本大震災をはじめとする震源が沖合のパターンとは違い、内陸部で発生する今回のような地震の場合、緊急地震速報が鳴る前に大きな揺れが到達してしまうことのほうがが多いようです。幸いなことに阪神淡路大震災のようなマグニチュード7を超える大地震ではなかったために、建物そのものが倒壊(全壊)してしまった数は少なく済みました。それにも関わらず5名の命が失われた原因には、建物そのもの以外の盲点がありました。

今回亡くなられた5名のうち、9歳の女子児童を含む2名の方が屋外のブロック塀の倒壊に巻き込まれて亡くなられました。気象庁震度階級関連解説表によると震度5強の揺れにおいて、補強されていないブロック塀が崩れることがある、とあります。今回の地震は大阪府内において広い地域で震度5強から震度6弱の激しい揺れが襲い、多くの補強されていないブロック塀が倒壊したものと考えられます。特に高槻市内の小学生がブロック塀倒壊に巻き込まれた死亡した事故を受け、文部科学省では全国の小・中学校に対してブロック塀のきんきゅう点検を行うように緊急要請を行ったとのことですが、大阪市内の80歳の男性が民家の外壁倒壊に巻き込まれ死亡したように、我々も塀に関して日頃から地震対策を行うべきでしょう。

そのほかの2名に関しては茨木市内の85歳男性が本棚の下敷きとなって、また高槻市内の66歳男性が大量の本や衣類に埋もれて亡くなられました。これらは屋内の家具などの倒壊、落下に巻き込まれたケースです。当然今回のようは大きな地震では全壊や半壊をはじめとして多くの建物がその被害を受けましたが、特に高齢の方となるとそのような家具や建物の倒壊に巻き込まれてしまった場合、重大な被害にあわれることが多いようです。残る1名の方は箕面市内の90歳女性が地震の影響で持病が悪化したことが原因で当日に亡くなれたとして震災関連死しております。この震災関連死も大きな災害のあった場合には発生しやすいもので、今回のように持病が悪化するケースは勿論のこと、避難生活にる体調悪化や過労など間接的な原因で死亡することも少なくありません。

今回の地震において奪われてしまった命は60歳を超える高齢の方や小学生の児童という、比較的体の弱い方々が被害を受けてしまう形となりましたが、それぞれ塀の崩壊や家具の下敷きなどといった、もう少し日頃から地震対策を行っていればここまでの被害にならなかった、かもしれないものです。建物そのものの耐震基準というものは1981年の耐震基準以降、世界に誇れる水準になったと言えるでしょう。しかしその内部ないし外部は依然として盲点となっている箇所が多くあり、今回のような大きな被害を発生させてしまったのです。地震をはじめとする災害はいつどこで発生し我々の日常を脅かすものかわかりません。常日頃からこうした災害に対する対策を行うことが今後被害を出さない、受けないために最も大事な事と言えるでしょう。

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