ブロック塀の危険性
見かけはしっかりしていても安全性に欠けるものがある
ブロック塀はブロックをコンクリートで固定し、積み上げた塀です。その見た目と触れた時の固さから頑丈に思われやすいブロック塀ですが、必ずしも耐久性が優れているとは限りません。その構造上非常に重さがあり、地震の際に強い負荷がかかれば倒れてしまうことも考えられます。同じように見えているブロック塀でも実は耐久性に違いがあります。しかし、その耐久性を見極めることは難しく、倒れてから初めて脆さに気づくということも少なくありません。実際に地震が発生した際にはブロック塀による被害が出ています。ブロック塀は非常に重いため、倒れた際の衝撃はすさまじいものがあります。人に直撃するだけでなく、家屋にぶつかった際にも大きな被害を及ぼします。
基礎工事の改善
転倒しないため根入れを深くする
ブロック塀は基礎工事を行うことでその耐久性を高めることが出来ます。ブロック塀に関しては建築基準法で定められていますが、この法律は度々改正されています。それは地震などによってブロック塀が倒壊したことで規制を厳しくしたことによるものです。それゆえ、基準が改められるまでに作られたブロック塀には耐久性の不安が残ることも考えられます。そこで基礎工事を改善し、転倒しないために根入れを深くすることが有効となります。ブロック塀に関する事故では損壊よりも、転倒が多いため根入れを深くすることで倒れにくくすることは被害の縮小に繋がります。部分的に脆いところがある場合はそこを補強することも必要になります。状態を診断してもらうのもおすすめです。
高すぎる塀の改善
2メートル以下に低くする
ブロック塀は高さが危険性に大きな影響を及ぼします。高くなればなるほど揺れの影響を受けやすくなり、重心が高くなって倒れやすくなります。また、倒れた時の衝撃に関しても高い方が大きな被害をもたらしてしまいます。そのため、高すぎる塀は低く作り直すことをおすすめします。具体的には2メートル以下にすることで倒れやすさをかなり是正することが出来ます。塀の役割としては視線を阻む、飛んできたものから家を守るといったことなので2メートル以下でも十分に役割を果たすことが出来ます。既に設置されているブロック塀でも状態によっては低く工事しなおせる可能性があります。ただし、そもそもの脆さによっては2メートル以下でも危険性が残ることがあるので注意しておきましょう。
控え壁(控柱)の取り付け
塀高さが1.2mを超えるときは、長さ3.4m以内ごとに基礎と塀と一緒につくる
ブロック塀を低くすることが難しい場合は控え柱を設置することも考えられます。ブロック塀がもたらしうる危険性は基本的に転倒によるものなので、転倒を防ぐための控え柱の存在はリスクを減らすことに大きく役立ちます。特に2メートル以下にすることが難しいケースにおいて有効な手段といえます。目安としては塀の高さが1.2メートルを超えるケースにおいて長さ3.4メートル以内ごとに基礎と塀を一緒に作ることをおすすめします。ただ、この手段を実行するには控え柱を用意するためのスペースが必要であることに注意しておきましょう。加えて控え柱の耐久性もまた重要になります。塀と控え柱の両方の耐久性が確保されてこその安全性となります。
傾き、ひび割れの修繕
ブロック塀はいつまでも耐久力を保ったまま立ち続けるわけではありません。日々の風や雨、雪などで少しずつ傷んでいきます。それがブロック塀の傾きやひび割れとなって表れていきます。傾いたり、ひび割れたりしている状態のブロック塀は地震の際だけでなく、普段においても転倒のリスクを抱えています。それゆえに修繕工事を行うことが必要となります。見た目ではっきりとわかるような状態になっていれば、すでに大きな危険性を持っているといえるでしょう。出来れば見た目にはあまり分からない程度の状態のときに、専門家にチェックしてもらい、しかるべき修繕を行うことをおすすめします。あまりにも脆くなっている場合は新たに作りなおすことも考えられます。