KYB免震装置データ改ざん

震度7に耐えた本棚

ここ数年、日本の各地で大地震が起こり、大きな被害が出ている中、
地震による揺れから建物を守るための免震・制震設備にかかわる検査データの改ざん問題が明らかになりました。
今回の記事では、今回の改ざんの問題についてお話させていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
免震・制震装置の検査データの改ざんが行われていたと発表したのは、システム製品や油圧製品などを生産している
企業「KYB」でありました。
KYBは創業1919年と長い歴史を持っている企業で、今回検査データの改ざんが問題となった免震・制震用オイルダンパーの
国内シェアはトップであり、多くの建物でKYBの技術が使用されていると思われます。

KYBは、2018年10月19日、多くの人が利用する庁舎について、
検査データの改ざんが行われていた建物を公表しました。
KYB公式ホームページに掲載されているPDF文書(https://www.kyb.co.jp/company/progress/progress_20181019_02.pdf)によると、
免震オイルダンパーの検査データ改ざんが行われていた可能性がある製品を使用していた庁舎、公共施設は70件に上っています。
一方、制震オイルダンパーの検査データ改ざんが行われていた建物に関しては、現時点で1件も発表されていません。
また改ざんが行われた製品を使用している可能性がある建物は全体で1000件近くにも及んでいるため、
今回公表された70件は氷山の一角にすぎません。

21 東雲合同庁舎
22 燕市役所新庁舎
23 大阪府警察学校本館・厚生棟
24 四万十町本庁東庁舎
25 長野県庁議会棟
26 陸前高田市消防防災センター
27 いわくに消防防災センター
28 阿久比町役場庁舎
29 酒田市役所庁舎
30 神戸地方合同庁舎
31 盛岡中央消防署庁舎
32 仙台高等・地方・簡易裁判所合同庁舎
33 東京消防庁芝消防署
34 戸田市役所庁舎
35 桑名市役所本庁舎
36 南あわじ市役所本館
37 半田市役所庁舎
38 浦安市庁舎
39 秋田市本庁舎
40 新宮市庁舎
41 新宿区役所本庁舎
42 長野市庁舎及び長野市民会館
43 天童市役所本庁舎
44 東京消防庁深川消防署豊洲出張所
45 白石区複合庁舎
46 八重瀬町役場統合庁舎
47 北海道庁舎
48 幕別町本庁舎
49 富山中央警察署
50 坂東市役所新庁舎
51 伊予市本庁舎
52 熊谷市役所本庁舎
53 酒田市役所庁舎
54 習志野市庁舎
55 大阪府庁本館
56 中央合同庁舎第 4 号館
57 木曽岬町複合型施設
58 市川市仮本庁舎
59 鎌ヶ谷市庁舎
60 四日市北警察署庁舎
61 市原市役所第 1 庁舎
62 周南市新庁舎
63 新城市役所庁舎
64 南城市役所
65 気象庁虎ノ門庁舎(仮称)・港区立教育センター整備等事業
66 福島県庁西庁舎
67 名古屋港湾合同庁舎本館
68 名古屋港湾合同庁舎別館
69 名古屋第2地方合同庁舎
70 財務省本庁舎

KYBによって公表された文書を見ると、日本全国の庁舎、公共施設の名前が見られます。
特に多くの人が利用するであろう東京都の建物に関しては、
国土交通省が入っている東京都千代田区の中央合同庁舎第3号館、
品川区合同庁舎、江東区の東雲合同庁舎、港区の東京消防庁芝消防署、新宿区役所本庁舎、
消費者庁、復興庁、内閣府の一部、内閣法制局などの機関が入っている千代田区の中央合同庁舎第4号館、
港区の気象庁虎ノ門庁舎(仮称)・港区立教育センター整備等事業、千代田区の財務省本庁舎の計8つの建物が公表されました。
この他にも、札幌市の北海道庁舎や名古屋市の愛知県本庁舎など、全国の重要な機能を有する建物に改ざんが疑われる製品が
使われていたことが分かりました。

ここ数年、日本のものづくり産業では、改ざんが度々発生しています。
大地震が多い日本国内で免震・制震設備の検査データの改ざんが行われ、
建物の地震に対する安全性が損なわれていたということももちろん大きな問題でありますが、
日本の誇る産業の1つであったものづくり産業において、改ざんが横行し、
作られる製品のクオリティが下がってしまっているということは
今後海外企業と激しい競争をしていくこと、また日本独自の技術を未来へ継承していく上で大きな問題であるのではないでしょうか。
今後はあらゆる企業が初心を思い出し、不正を排除して高い品質の製品を作ってもらいたいと思います。

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