北海道の地震の歴史、過去の大地震はいつどこで起こったのか

震度7に耐えた本棚

今までに「北海道」で起きた一番大きな地震は?

北海道で起きた地震と言えば、2018年9月6日の深夜3時ごろに起きた地震が記憶に新しいと思います。
北海道では過去最高の「震度7」を観測し、私たちはその被害の大きさに驚かされたばかりです。
震源地は北海道胆振地方中東部で、新千歳空港の南東方向を指します。
震度5~7の激しい揺れが観測されたのは、以下の7つの地域に及びました。

震度7:厚真町
震度6強:安平町・向かわ町
震度6弱:千歳市・日高町
震度5強:札幌市北区・苫小牧市

北海道各地で土砂崩れなどが発生し、行方不明者が多数でました。
連日のニュースに驚き、被害をこうむった光景を目にしてやりきれない気持ちになった方も多いと思います。
今回、過去最大深度7を観測した厚真町の現場近くに、これまでは知られていなかった活断層の存在が推測されています。
これは「二次的活断層」といって、過去に何度も地震が発生したことを表しており、地形や地層が変化してできたものです。

過去に北海道で起きた地震の多くは沿岸~沖合で発生しており、今回のように内陸部での地震は珍しいのです。
1980年代以降に北海道で発生した地震を振り返ってみると、短い期間に震度の大きな地震が頻繁に発生していることがわかります。

1980年代:震度6・1件
1990年代:震度6・3件
2000年代:震度6弱・2件
震度5強・4件
2010年代:震度5強・2件
震度6弱・1件
震度7・1件(2018/9/6)

特に、1993年7月12日午後10時ころに発生した「北海道南西沖地震」は震度6(推定)で、日本海側で発生した地震の中では最大の規模だとされています。
奥尻島の震度が「推定」とされているのは、当時は奥尻島に地震計が設置されていなかったためです。

では、「北海道南西沖地震」では具体的にどのような被害が出たのでしょうか。
この地震によって津波や火災が発生し、202名の方が亡くなり、28名の方が行方不明になりました。
震源地は奥尻島のすぐ近くだったため、地震が発生してから4~5分という短い時間で奥尻島に津波が到達しました。
そのため、奥尻島の島民のおよそ4%にあたる198名の方が津波によって亡くなり、北海道本島でも数名が亡くなってしまいました。
奥尻島では過去にも津波の被害を受けたことがあったのですが、では、なぜこれほど多くの方が亡くなってしまったのでしょうか。
それは、過去の津波(1983年の日本海中部地震)の到達時間が地震の発生から17分後という経験があったため、その時間を基準に避難したためです。
島民は過去の経験から「避難までに少し余裕がある」と判断し、自家用車で避難して渋滞にはまってしまい、手遅れになってしまった方が多かったのです。
これは、山側に住む島民は土砂崩れを恐れて梅側へ、海側の島民は津波を恐れて山側へと非難したため、通常起こらない渋滞がおきたことが原因でした。
津波が到達した高さは、最高で29メートルにも達しました。これは、マンション10階相当に値する高さです。

「北海道南西沖地震」による被害は甚大なものでした。
まず、けがをした方は323名にものぼりました。
家屋は、全壊・半壊を含めて1009棟、一部損壊は5490棟でした。
他にも火事による焼失は192棟、津波による浸水は455棟、その他の原因による被害は753棟にも及びました。
津波により、港では停泊中の1729隻の船舶に被害が出て、道路では630箇所が損壊が見られました。
この地震によって津波火災も発生し、地震発生後すぐに出火して翌朝鎮火されるまで、およそ11時間もの間火が燃え広がり続けました。
家庭用の灯油やプロパンガスなどが火災を拡大させ、これにより市街地は壊滅的な状態になってしまいました。
この火災により190戸の家屋、約51,000㎡が焼失し、津波・土砂崩れ・火災などを含めた地震による被害は甚大なものになりました。

奥尻島「復興」への道のり

これほどまでに甚大な被害を受けた奥尻島は、どのようにして「復興」していったのでしょうか。
「北海道南西沖地震」による被害額はおよそ664億円だと言われています。
まず、地震によって住む家を失った人のための仮設住宅の設置が急がれ、
壊滅的な被害を受けた海岸沿いの集落は、居住地の移転や盛り土などで新しく生まれ変わりました。
将来、津波による被害を最小限に抑えるために、防潮堤・津波水門・人口地盤・避難路などの対策がとられました。
このように様々な対策が実行され、地震発生からようやく5年経過した平成10年3月に奥尻島の「完全復興宣言」が行われました。
過去の震災からの復興の経験を生かし、この度の地震被害からの復興がよりよい形ですすんでほしいものです。

平成8年に奥尻町より発刊された「蘇る夢の島!」というパンフレットに復興への道のりが詳細に書かれています。
より詳しく知りたい方はインターネットからもダウンロードできますので、ぜひご覧ください。

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