北海道地震の大規模停電(ブラックアウト)はどのようにして起こったのか

震度7に耐えた本棚

北海道胆振東部を震源とする、大きな災害をもたらした今月六日の震度7の大地震では、これまでに経験したことのない、多くの震災を経験してきた日本でも初めての、電力供給のブラックアウトが起きたことが北海道電力により正式に発表されていますが、初めて聞く全戸大規模停電の記憶もまだ新しく、一体今回の北海道の震災時に何が起き、どのような急を要する原因から発電所が稼働を停止し、大規模な停電へと至ったのか、ブラックアウトの原因の大幅な解明だけではなく、今後の教訓のために生かさなければならない対策についてが必要とされて人々に懸念されています。北海道での大きな地震をきっかけとしたブラックアウトとはまず何が起きているのか。

北海道胆振東部地震は泊原発が稼働停止中に起こったことです。北海道全戸に及ぶ、大規模な停電をするブラックアウトが起こる前に、電力をどこから送電していたのでしょうか。おさらいとして、今回、再稼働の見通しがたたない原発の電力を補うべく、北海道で消費される電力の全てを供給するために、需要の半分を定期点検を重ねることが課題となっており、しかも無理やり再稼働に漕ぎ着けていた苫東厚真発電所が担うことで、北海道での需要とされる電力のほぼ全てを供給していたことが、注視されています。
大きなダメージを受けたのは、一箇所に集中して電力の供給を担っていた苫東厚真発電所一号機。そして大規模停電のおおよその原因は火力発電所であるのです。

火力発電所の稼働停止による送電停止から、ブラックアウトの直前まで、苫東厚真火力発電所一号機の電力供給は五割まで、出力は数万キロワットまで低下し通常時の一割であったと報告されています。二号機もあり稼働していたのですが、安全面の管理から二号機のほうは、自動で稼働を停止しており、最後まで頑張っていた一号機の電力の需給バランスがどう考えても努力しても追いつかず、乱れたのが理由になっています。
大規模な停電によるブラックアウトが解消したのは、震災からおよそ二日後のことでした。影響を受けたのは全道295万戸、北海道全域で医療機関のトラブルが発生するなどの被害に及んでいます。 苫東厚真発電所一号機のブラックアウトの直接の原因は、地震の揺れの被害から復旧出来なかったことにあります。

いざという時、暮らしを守るために、もしも被災者となった時には、電力について何を知っておけばいいのかは、国民にとって非常に重要な関心度の高い問題と日々なりつつありますが、苫東厚真発電所一号機のブラックアウトの直接の原因については、取り返しのつかないような大問題というよりは、地震の揺れの被害から復旧出来なかったシステム上のことにあります。
北海道と本州の海底には、北本連系線という送電設備があるのですが、本州からの電気を供給するのに、こちらは直流送電というシステムであり、需要する側がブラックアウトになると、利用できないことが知られています。本州からの電力を火力発電所が供給されても、ブラックアウトを復旧するには非常に時間がかかるのです。

発電量の低下を補うものとして上記の電力は送られてきても貯めることが出来ない点と、電気の需要と供給の使用量と発電量からも計画的な発電量には及ばず、そのまま稼働した場合に電気の周波数の乱れから品質に影響があるために、家電製品や工場の機械が容易に壊れることのないよう、常に安定した供給をしなければならないため、この二つの両側から一致していなければ、大変なことになるのだという問題が指摘されています。電力会社ではこのように需要と供給のバランスの一致が常に行われていることでして、同時にどちらかが減らないように、電力の需給のバランスが同量を維持しているものであり、一号機のみの稼働では、やむなくブラックアウトが起きてしまうとのことです。
地震により配管が損傷した火力発電所のうち、亀裂などによりダメージを受けていた苫東厚真火力発電所一号機は、配管水圧試験をクリアーし、正常作動が認められたことから、震災から12日後の18日の夕方にメンテナンスを終えて復旧の見通しとなったとニュースになったばかりです。稼働停止中の苫東厚真火力発電所二号機も、9月下旬には稼働の見込みとなり、再稼働が大幅に前倒し検討されたことから、現在調整に入っているとのことです。

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