大阪北部の地震での教訓~公共施設などでもガラスや水道管の破損があり安心できない

2018年6月18日に起きた大阪北部震災では痛ましい事件が起こってしまいました。
この地震では4人の犠牲者が出てしまいましたが、そのうちの一人は登校中の女子小学生でした。
プール沿いのブロック塀が地震で崩れ、その下敷きになってしまったのです。
建築基準法では2.2m以内と定められているブロック塀の高さですが、ここでは守られておらず遥か高くブロックが積み上げられていました。
また、高さ1.2メートル以上には義務付けられている補助の壁も設置されておらず、塀の中に鉄筋を入れて補強する措置もとられていませんでした。
本来、最も安全でなければならない公共施設である学校ですが、その実態は地震に対して非常に脆弱だったと言わざるおえません。
また、吹田市などでは避難所に指定されている公共施設の一部では、ガラスが割れるなどしてその機能を果たせなかったという事態も起こりました。
こうした公共施設の地震に対する脆弱性は、大阪北部地震だけの話ではありません。
他の地域の地震災害でも、避難所となるはずの公共施設で水道管が破裂したり、天井が崩落したりするなどして全く役に立たなかったというニュースが流れています。
避難所である公共施設が近くにあるからといって、安心していてはいけないのです。

では、なぜ本来安全が担保されねばならない公共施設がその役割を果たせなくなってきているのでしょうか。
まず理解していただきたいのは、作られてから時間が経ち経年劣化が激しいということにあります。
公共施設や水道、下水道といった日本のインフラのほとんどは、高度経済成長の時期に作られました。
完成してから40~50年近く年月が過ぎており、老朽化によって一斉に建て替えの時期を迎えているのです。
ところが、現在の地方自治体のほとんどは深刻な財政難状態にあります。
ついでに言うと、日本国自体が厳しい財政状況にあり、公共投資に資金を回す余裕がないのです。
その結果、老朽化している公共施設及びインフラがそのまま無理やり使われているという実情があります。
2016年の熊本地震では、益城町で役場の建物が一部崩落するという事態に見舞われました。
役場の老朽化は目に見えていたものの、財源の当てがなく補修を先送りしていた中での出来事です。
これは益城町だけの問題ではありません。
震度6以上地震に見舞われた場合、公共施設やインフラが大きなダメージを負ってしまう自治体は日本中にゴロゴロあるのです。
そして、お金の問題もあるのでそのような危機的状態はしばらく続くことを肝に命じておく必要があります。

避難所となる公共施設がリスクを抱えているというなら、どのように対処すればいいのでしょうか。
やはり肝心なのは個人の備えになります。
非常食や水の確保、懐中電灯や医療品の用意といった普段の備えをしっかり行っておくことが大切です。
公共施設の水道管が破裂し水が出なくなったとしても、各自が水を用意していたならしばらく持ちこたえられます。
底が厚い靴をはいて避難すれば、間違って割れたガラスを踏んでしまったとしても大ケガをすることを避けられます。
震災は起こるものと想定し、抜かりなきよう準備をしているのが一番の対策です。
また、避難所も近所の1か所だけでなく、複数の避難所とそこに至るルートを知っておくことも大切。
例えある避難所が被災してしまっていても、選択肢を多くもっておくことでパニックを起こさず別の避難所を探すことができます。
複数の避難所を知っておくことで、家族が離散してしまった場合でもどこに避難しているのか当てをつけられるので、後々にすぐ家族を探せます。
公共施設だからといって絶対に安全な場所だとは言えません。
結局最後は、個々人の意識と用意が命を救うのです。
大阪北部地震の教訓を生かし、いつ来てもおかしくない大震災に備えておきたいものです。

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