2018年10月4日木曜日の午前0時すぎ、
多くの人が寝ている時間であろう時間帯に、関東地方に緊急地震速報が発表されました。
対象地域は、茨城県、埼玉県、栃木県、千葉県、東京都、神奈川県でした。
緊急地震速報が発表されたので、大地震が来るのだろうかと身構えた人も多かったのではないでしょうか。
しかし、実際に観測された最大震度は4でやや強い揺れでしたが、東京都、神奈川県、栃木県では震度1または震度2と
非常に小さい揺れを観測しました。
深夜の緊急地震速報ということで、怖い思いをした人も少なくなかったのではないかと思われますが、
実際にはそれほど大きな揺れにはならなかった要因は何なのでしょうか。
今回の記事では、10月4日の緊急地震速報に関して、お話させていただきたいと思います。
緊急地震速報は、大きな地震が発生することが予測される場合に発表されるものであると考えている人が
多いのではないかと思われますが、実際には緊急地震速報には2種類あり、
「高度利用者向け」の緊急地震速報の場合にはたとえば予想最大震度3程度の
それほど大きな揺れではない地震であっても、予想マグニチュードや震源の位置などを事前に知ることができます。
テレビやスマートフォンなどの緊急速報として流れる緊急地震速報は、「一般向け」の緊急地震速報で、
その地震の予想される最大震度が震度5弱以上になると予測された場合に発表されます。
また「一般向け」の場合、震度4以上の揺れが発生する可能性がある地域に、
緊急地震速報が発表されます。
2018年10月4日深夜に発表された緊急地震速報では、どれくらいの規模の地震が発生すると予測されたのでしょうか。
気象庁のホームページに掲載されている、「緊急地震速報(予報)の内容」のページ(http://www.data.jma.go.jp/svd/eew/data/nc/fc_hist/2018/10/20181004001536/index.html、2018年10月5日閲覧)には、発表された緊急地震速報を詳細が書かれています。
このページによると、午前00時15分43.4秒の時点でマグニチュード6.7、震度は茨城県南部で震度5弱以上、茨城県北部、千葉県、埼玉県、神奈川県東部、栃木県南部、東京23区では震度4以上の揺れが予想されました。
したがって、緊急地震速報が群馬県を除く関東地方全域で発表されることになりました。
先ほどの項目で述べたように、気象庁の予測では最大震度5弱以上の地震が発生すると予想しましたが、実際の地震の
マグニチュードは4.6、最大震度は4と、やや強い揺れを観測しましたが、予測が過大評価であることが分かりました。
今回の事例では、多くの人が住んでいる関東地方で、そして多くの人が寝静まっている深夜帯に発表された
緊急地震速報であったために話題になりましたが、地震の予測を過大評価すること、また過小評価することはそれほど珍しいことではなく、
正確には「誤報」ではありません。
緊急地震速報の「誤報」とは、たとえば2016年8月1日に発表された、東京湾を震源とする震度7の地震が発生したと予測した緊急地震速報が挙げられ、
この事例の場合は実際には人が感じる揺れは一切観測しておらず、「誤報」だぅたと言えるでしょう。
今回の事例で、今後緊急地震速報が発表された場合に「実際はそれほど揺れないだろう」と思ってしまう人が
出てくることが予想されますが、緊急地震速報が発表された場合は
大地震が発生する可能性が高く、自分の身を守る行動をとることが大切です。
最近発生した大地震(東日本大震災、熊本地震、大阪北部地震、北海道胆振東部地震)において
緊急地震速報が発表されなかった事例はありません。
緊急地震速報は100パーセント的中するわけでは決してありませんが、
緊急地震速報は揺れが到達する数秒前、数十秒前に地震が来ることが分かり、少しでも自分の命を守る行動をとることができる
大変役立つシステムでありますので、今後も緊急地震速報を軽視しないことが重要でしょう。