家具の耐震に、突っ張り棒の正しい取り付け方


震度7に耐えた本棚

突っ張る位置は家具の奥、壁側

家具の地震対策グッズとして有名な突っ張り棒は、震災後のホームセンターや通販で大変良く売れた耐震用品の一つです。
しかし使用している家庭が多いだけに、正しい取り付け方をしないと十分な耐震効果を得られないことを、理解しておく必要があります。

地震対策上、最も効果的とされる突っ張り棒の設置場所は、家具の奥(壁側)の両端です。
家具が倒れる時は、手前側が前に倒れるように動くため、突っ張り棒を家具の手前や中央部に設置して支えるように設置している場合は効果はありません。
そのため、家具の後ろ側が浮いて倒れてこないようにするために、家具の後ろ側=家具の奥(壁側)の両端を突っ張り棒で支えるように設置するよことが大切です。

家具と天井の隙間はなるべく狭い方が良い

新たに家具を部屋に置く場合は、地震の際に倒れにくい家具を選んでおくことが重要です。
耐震性がある家具とは、天井と家具の隙間がなるべく狭く、奥行きのある家具です。
家具自体に奥行きがあるとそれだけで安定感が増し、前後にゆれにくくなります。
また、天井と家具の隙間が狭いと、家具が前後に揺れ後ろ側が浮いた際には天井につかえるため、前のめりに倒れる危険性が少なくなります。

既に家具が置かれており、天井との距離も広く奥行きがない場合は、突っ張り棒を正しく設置したうえで、L字金具、ベルト・チェーン、粘着マットをかませたりストッパーと組み合わせたりするなどの合わせ技で対策すると、転倒防止効果を高めることができます。

天井の裏に梁のある場所に突っ張る

天井の大部分は薄い板

一般的な日本家屋の天井は軽く作られおり頑丈ではありません。
これまで突っ張り棒をはじめ家具転倒防止策をしていたのにもかかわらず、家具が転倒していたケースは少なくありません。
天井に穴が開いてしまい、家具が激しく破損してしまう場合は、天井の構造状強度がない部分に突っ張り棒を設置していたことに原因があります。

突っ張り棒の設置で耐震効果のある天井の部位は、天井のプラスターボード(石膏ボード)+ベニヤ板だけの部分ではなく、木材や鉄筋の柱が入っている所です。
壁紙で隠れてしまっている柱の見分け方は、天井を押してみて「たわみ」が少ない所です。
たわみが多い場所は、プラスターボードかベニヤ板のみとなるため、突っ張り棒を設置するには正しくなく破損が大きく逆効果となるため避けるべきです。

梁の無い場所で突っ張りたい場合は、強度のある板を梁に当たるようにかませて、突っ張る。

突っ張り棒は、ネジ止めをせず単にポールをかませて固定した転倒防止器具のため、梁のない構造の天井で使用すると、地震の規模や揺れの方向によっては突っ張り棒が天井を貫き、固定できなくなった家具が倒れやすくなる危険があります。
しかし既に設置済みの家具が大きく梁の下に移動がままならない場合や、家具のレイアウト上、うまく梁の下に設置できない時など、上手く突っ張り棒を使用できない場合があります。

そうした天井の強度に不安がある場合は、面で力が加わるように、家具と同じ横幅の強度のある厚めの板を用意し、梁にあたるようにかませてから突っ張り棒を使うと同様の効果が得られます。
その際は、板と突っ張り棒の底面を両面テープやネジ止めで接着し強度を高めておきます。

点よりも線、線よりも面で突っ張るのが理想的

突っ張り棒による家具の固定は、点で支える方法のため、震度が大きくなると支えきれない場合があります。
突っ張り棒と併用して耐震強度を高めるやりかたに、梁のない天井でも使用した、補助板を挟む方法がよく使われています。

天井と家具の天板に、それぞれ1枚づつ板を挟んでから固定すると、地震の揺れを点ではなく面で受け止めることができるため、耐震効果が上がります。
その際、板と突っ張り棒の底面を両面テープやネジ止めで接着して強度をあげておく必要があります。
これらはDIYに限らず、突っ張り棒+ユニット板(線状・面状)製品として販売されているため、購入も可能です。
また、天井と突っ張り棒と家具の間の空間に、普段使わない軽い衣類を詰めた段ボールを隙間を埋めるように置くようにして耐震性を補強する方法もあります。

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