避難勧告とは、避難指示や避難準備とのレベルや基準の違いは?

震度7に耐えた本棚

避難勧告とは災害対策基本法に基づき、市町村長が地域の居住者に対して発する非難情報の一つです。
対象地域の土地や建物に被害が発生する恐れがある場合に出されます。
安全のため早めの避難を促す時に発令されます。
そのほかに似たような情報として避難準備、避難指示がありますが、避難準備→避難勧告→避難指示の順に強制力が強くなります。
避難準備とは避難が必要となるような洪水が起こると予想されているときに、速やかに避難ができるよう準備をしておきましょう、というものです。
避難指示とは洪水や火災などでその地域に著しい危険が切迫している時に発令されるもので、すみやかな避難が求められます。
避難勧告、避難指示が発令された場合、近くの学校や体育館に避難することが求められます。

避難勧告はどのような手段で伝えられるのでしょうか?
避難勧告の伝達方法には昔から防災無線、サイレン、町内会や地域の消防団からの口頭での伝達(例えば拡声器を付けた車で区域内を回る)などがあります。
地方のテレビ局が放送する番組で知らせることもありますし、ニュース速報として画面上部などにテロップが表示されたりといった方法もあります。
ラジオ局からのお知らせとして放送されることもあります。
ケーブルテレビなどに加入していれは超ローカルな情報を扱っているテレビ番組や発令されることもありますし、
インターネットの各種ホームページでも確認することが出来ます。
特に最近は携帯電話やスマートフォンで災害情報のアラートが鳴るように設定されているものも普及しています。

避難勧告の課題①
避難勧告を発令するには大きな課題があります。まずは発令する基準が明確に定まっていない事です。
避難勧告を発令する対象になるであろう災害には、洪水、土砂災害、大規模な火災、地域によっては原子力災害などがあります。
洪水や土砂災害においては過去のデータより基準となる雨量がある程度定まっているものの、その他に関しては特に基準となるものはありません。
また洪水や土砂災害においても過去安心だったから今回も安心とは必ずしも限らず、雨量そのものだけで判断できるわけではありません。
降り続いた時間や降り方などその時々で状況はいつも異なります。
河川の氾濫も、その川の上流域でどれだけの雨が降ったかやダムの貯水率などによっても異なるでしょう。

避難勧告の課題②
避難勧告にはさらに課題があります。
それは避難勧告自体には強制力がない、ということです。
避難勧告が出たからと言って対象地域の住民がみなきちんと避難してくれるわけではありません。
法的な強制力があるわけでもないので自宅に居座る人を無理やり力ずくで避難させるわけにはいかないのです。
前回避難勧告が出たが何事もなかったから今回も大丈夫、と考える人は意外と多いのです。
住民の立場になってみれば、被害が出るかどうかもわからないのにプライバシーが確保されない避難所に避難するのもとても嫌でしょうから一概に非難することもできません。
特に高齢者にその傾向は強く認められます。
ところが高齢者ほどいざという時に素早く非難することができないため、被害にあってしまうケースが多いのです。

避難勧告の課題③
甚大な自然災害が毎年のようにあちらこちらで発生している昨今、避難勧告、避難指示に関しては国レベルでの基準の作成を求める声もたくさん上がっています。
避難勧告、避難指示を発令したものの何事も発生しなかった場合、「何事もなくてよかった」とプラスに考える人だけではなく、「なぜこの程度で無駄な避難をさせたのだ!どうしてくれるんだ!」と見当違いなクレームを入れる人もたくさんいます。
そのクレームを恐れ、自治体の長はなかなか避難勧告・指示を発令できず、その結果多くの人が被害にあってしまうという痛ましい事象も起こっています。
国レベルで基準を明確にすれば自治体がそのようなクレームにさらされることはなくなり、より適切に発令できるようになるでしょう。
一刻も早く基準を明確にすることを望みます。

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