乳幼児がひきつけ(けいれん)を起こした際の応急手当

乳幼児の大泣きによるひきつけ

応急処置
乳幼児が激しく泣いたときは、抱っこして別の場所に移動したり、おもちゃや絵本など好きなものを見せたりして、気分転換してあげます。

また、一人で寝かせると不安から泣き入りひきつけを起こしやすくなりますので、添い寝をしてあげることも必要です。

原因
乳幼児が激しく泣いたときに、脳の呼吸をつかさどる部分の働きが一時的に低下することで起こるひきつけです。思いどおりにならなかったり、注射針を刺されたときなど、怒りや恐怖、痛みを感じたときに多くみられます。
症状は呼吸が止まり、顔や唇が紫色になり、全身が硬直します。発作は1分以内におさまります。病院に行く必要の無いひきつけで、成長するにつれて起こらなくなります。

激しい脱水症状によるひきつけ

応急処置
乳幼児がひきつけを起こしたときは、体を揺すったりせずに、平らな場所に寝かせて顔を横向きにして、衣類やおむつをゆるめます。頭にピン留めなどをつけている場合は外してください。

数十秒から3分程でおさまります。発作がおさまった後に、発熱や手足の麻痺など何らかの症状がみられるときには落ち着いてから小児科を受診してください。

原因
乳幼児は大人に比べて体の水分の割合が非常に高いため、何度も吐いたり、下痢をしたりすると脱水症状を起こします。唇がカサカサになったり、元気がなくなるなどの症状があらわれますが、さらに脱水が進み、体重の10%以上の水分が失われると、意識がはっきりしなくなり、ひきつけを起こすこともあります。

対策
栄養状態を整えておくことは、ウイルスや細菌に対しての抵抗力を養うことになります。たんぱく質、脂質、糖質、ミネラル、ビタミンの栄養素をバランス良く組み合わせた食事をとるように心がけましょう。また、体内の水分の割合が高い小児、とくに乳幼児は脱水状態になりやすいので、こまめな水分補給も大切です。

高熱によるひきつけ

応急処置
ひきつけを起こしたときは、体を揺すったりせずに、平らな場所に寝かせて顔を横向きにして、衣類やおむつをゆるめてください。頭にピン留めなどをつけている場合は外しましょう。

乳幼児を観察してそばを離れないようにしてください。

少しでも呼吸がしやすいようにあごを少し上げて空気の通り道を作り、唾液などはふき取るようにしてください。

舌を噛まないようにタオルを口に入れるのはダメです。窒息の原因になります。

慌てず落ち着いて4つのチェックポイントを見てください。

1 けいれんの仕方はどうか。
左右対称のけいれんか、上半身だけのけいれんかなど、どのような動きをしていたか。また、眼球の動きはどうなっていたか。(上を向いていたとか、両目とも右を向いていたなど)

2 時間を計る
実際は1~2分のけいれんであっても、体験するとものすごく長く感じるものです。すぐに時計を確認したり、数えてみたりして、大まかな持続時間を把握してください。

3 けいれん以外の症状を見る
発熱や嘔吐、下痢など、「いつからどれくらいの熱が出ているか」「吐いたかどうか」などを聞かれることが多いです。

4 家族歴
血縁関係のある人に熱性けいれんになったことがある人がいると、熱性けいれんを起こす確率は上がるといわれています。そのため、子どもの両親やきょうだいに熱性けいれんの経験があるかを確認されます。

病院を受診すると、医師に聞かれる項目がいくつかありますが、多くの場合は気が動転していて覚えていないことが多いです。上記の4点をおさえておくことが寛容です。

落ち着いたら小児科に電話で受診すべきか相談しましょう。
初めてのけいれん、もしくはけいれんが5分以上続いていた場合は受診してください。

原因
熱が上がり始めるときや、体温が39~40℃に達するときに起こるひきつけです。乳幼児は脳が未熟なため、発熱という刺激が誘因となります。両手足を突っ張り、全身の筋肉が硬直して、手足がガクガクと震え、顔が青くなり、白目をむいたりしますが、発作は数十秒から5分程度でおさまります。生後6カ月から6歳までに発症することがほとんどで、年齢とともに起こらなくなってきます。

病気によるひきつけ

発作の時間を落ち着いて計ってください。ひきつけの発作はほとんどが数十秒から3分以内でおさまりますが、5分以上続く場合は脳炎など危険な疾患の可能性もあります。
片方の手足だけにひきつけがみられる、目が一方に寄っている、意識がはっきりしない、体の動きがおかしい、発作を繰り返し起こすなどの症状があるときには救急車を手配してください。
もし迷う場合は電話で「救急相談センター(♯7119)」に連絡し、相談してから手配することもできます。

原因
熱がないのにくり返しひきつけを起こす場合は、てんかんの可能性があります。また、ウィルスや菌に感染して脳炎や髄膜炎を起こすと、高熱や嘔吐があらわれ、ひきつけが5分以上続いたり、その後ぐったりして意識障害を起こすなどの症状があらわれます。インフルエンザによる脳炎では、死亡することも少なくありません。

まとめ

乳幼児がひきつけを起こしたら。

「大泣きしていてひきつけを起こした。」
対応:抱っこしてあやす。気分転換に場所を移動する。絵本やおもちゃで気を紛らわす。
1分以内におさまるので病院には行かなくて大丈夫です。

「けいれんを起こした。熱は無い。嘔吐や下痢を起こしていた。」
対応:体を揺すったりせずに、平らな場所に寝かせて顔を横向きにして、衣類やおむつをゆるめてください。
脱水症状が疑われます。
数十秒から3分程でおさまります。発作がおさまった後に、発熱や手足の麻痺など何らかの症状がみられるときには落ち着いてから小児科を受診してください。

「けいれんを起こした。39度以上の熱がある。」
対応:体を揺すったりせずに、平らな場所に寝かせて顔を横向きにして、衣類やおむつをゆるめてください。
気道を確保し、口の周りの唾液は拭き取ってください。
けいれんの仕方、けいれんの時間、けいれん以外の症状、家族歴を確認してください。
落ち着いたら小児科に電話して受診すべきか相談してください。

「痙攣を起こした。5分以上続いている。片方の手足だけにひきつけがみられる、目が一方に寄っている、意識がはっきりしない、体の動きがおかしい、発作を繰り返し起こす。」
対応:すぐに救急車を手配してください。

スポンサーリンク
広告(大)
広告(大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
広告(大)
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。