海や川で溺れた際の応急手当

海や川など、水辺で溺れている人をもし発見した時に何をすれば良いのか?まず第一に前提として覚えておかないといけないのは、救急隊員やライフセーバーと言った救助のプロであっても救助専用の道具がないと溺れている人を助けるのは難しい事です。溺れている人は意識があるのなら、当然パニック状態に陥ります。泳ぎが得意だからと言って安易に近づき、巻き込まれて二次災害になってしまっては目も当てられません。即座に119番の連絡をするのが大前提として挙げられます。もしも、自分が救助の教育を受けていて溺れている人を助けられる状況であれば、周囲の人に119番を連絡するように指示するのを忘れてはいけません。案外誰かがやっている、と連絡されていないかもしれません。

救助のプロでもなく、そう言った教習も受けていない人にもすることがあります。それは先程も言った通りに119番通報です。誰かが連絡するだろうと放置するよりも、二重、三重連絡になる方がまだマシです。他にも、救助用の器具、例えばライフジャケットや浮き袋、空のペットボトル(少しだけ中身があると飛ばしやすい)、クーラーボックス等の水に浮く物を溺れている人の近くへと投げ入れる事です。パニック状態で溺れている人の精神的にも肉体的にも助けになれます。片方を固定したロープを投げ入れるのも効果的です。そして、救助されたときの為に、AEDや暖かい乾いた毛布、あるのならば厚めのベニヤ板等も事前に準備しておくと、救助後に色々役に立つ事でしょう。

自分が溺れている人を救助できる、しなければならない状況で、何とか溺れている人の元にたどり着き、足の着く場所まで戻ってこれたなら直ぐにその場で意識と呼吸の確認をしましょう。人間の脳は数分の酸欠状態で加速的に死んでいきます。それを避ける為には、水の中でも自分の安全が確保できた状態、足の着く深さになった時には直ぐにも処置しなければいけません。溺れていた人を仰向けにして、意識の確認。無ければ呼吸の確認をして、呼吸もしていなければ直ぐに心肺蘇生法に入ってください。水から上がるまでのその数分が命取りになります。また、飛び込み等で頸の怪我がある、もしくはその恐れがあるのなら、厚めのベニヤ板を準備して水から上げるときから身体を極力揺らさないようにしましょう。

救助者も、要救助者も水から上がり、一先ずの安全が確保できたなら、改めて容態を確認しましょう。意識、呼吸、循環のサインを確認して、意識があり、むせこんでいるだけなのならとりあえずは安心です。乾いた毛布で温かくして病院に搬送しましょう。低体温は体力も消耗します。ここで意識等がないのなら、心肺蘇生法で30回の胸骨圧迫と2回の人工呼吸をワンセットに救急車が来るまで続けましょう。AEDが有るのならそちらも併用しましょう。飲み込んだ水を無理矢理に吐かせるのは気道に逆流して閉塞してしまうので止めましょう。ただし、心肺蘇生法の途中で水を吐いてきたら、顔を横にして口を開かせ指拭法で処理してから心肺蘇生法に戻ります。

以上、溺れている人への応急手当でありますが、どんな状況でも溺れている人を直接助けるのは非常に危険で二次災害の可能性も高くなります。自分の出来る範囲を理解した上で、自分の出来る事をしましょう。119番通報は必ずして、水に浮く物を投げ入れたり、ロープを投げ入れたりするだけで助かる可能性はぐっと上がります。そして、自分が救助出来る能力があるのなら、意識の無い要救助者には可能な限り早い心肺蘇生法を実施しましょう。ほんの数分の違いで命や後遺症等に影響してきます。AEDや毛布の準備等、自分が救助に行けなくとも出来る事は必ずあります。心肺蘇生法も一人では案外辛いものですので、交代要員として控える事も出来ますし、救急車が来たときに誘導も出来ます。傍観するだけにならないよう、自分が出来る事を考えて行動しましょう。

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