高齢者の避難で想定される困難

特に加えておきたい避難道具

常備薬、入れ歯、補聴器、折り畳み杖、老眼鏡

高齢者の避難において特に加えておきたい避難道具として、普段の生活で使用している常備薬は忘れないようにしましょう。また薬局などで使用するおくすり手帳も一緒に加えておきましょう。必ずしも直ぐに普段の常備薬が手に入るとも言い切れません。おくすり手帳があると、お医者さんや薬剤師の人も早急な対応が可能になります。次に折り畳み杖や入れ歯、補聴器に老眼鏡などといった生活用品です。避難先ではストレスや疲労による足腰の筋力の低下が考えられます。普段から杖を使用している人はもちろんですが、杖を現在使用していないとしても、用意しておきましょう。杖は持ち運びがしやすいように、折り畳み杖を用意しておくといいでしょう。避難先での配食は高齢者にとっていいものばかりではありません。食事がきっかけで食事摂取の不自由をきたしてしまうこともあります。入れ歯を利用している人は、必ず用意しておきましょう。補聴器も用意しておくと、たくさんの避難者がいる中で、呼びかけなどの時に声を聞き取りやすくなるので用意しておきましょう。毛布やあんか、カイロといったような体を温める物も用意しておくと寒さから身も防げるのでいいでしょう。後、意外と盲点なのが老眼鏡です。避難所では手に入りにくいので、用意しておけば文字を読んだりする時でも安心です。

避難所での食事について

塩分・脂質が多い、硬い・大きいので噛めない、入れ歯が無い、食事の量が多い・少ない

避難所での食事は必ずしも高齢者に適した栄養バランスではありません。塩分・脂質が多い、硬い・大きいので噛めないといったことや、食事の量が多い・少ないといった不満も出てきます。このようなことから、食事をすることが困難になるだけではなく、億劫になってしまう原因にもなります。ですので、このような時に入れ歯が無いとさらに困ってしまいます。他にも、お弁当のような食事が冷たかったりするなどといったことから、お腹の調子を崩してしまい下痢をするなどといったトラブルにも繋がります。このように、ただ単に食事が食べにくいといったことばかりではなく、2次トラブルへと繋がってしまう危険性があるのです。このような時は、カイロやあんかなどといったものでお腹を温めるなどの工夫をしましょう。食事については、食事関係者との相談をしたりするなどといったことで改善を求めることも重要になります。

排泄について

急激な環境の変化によるストレス性の下痢・便秘、手すりが無い、階段がある等、設備が十分でない

排泄についてですが、まず注意すべき点は急激な環境の変化によるストレス性の下痢・便秘です。高齢者の方の中には、周りに迷惑をかけないようにと、下痢・便秘の症状のことを話さない場合があります。家族の人たちは、排泄に関してのことを普段から把握することが重要になってきます。高齢者にとってはトイレでの動作は非常に大変です。しかし避難所では和式トイレであったり、手すりが無い、階段がある等、設備が十分でないので、足腰の弱い高齢者にとっては辛いものです。また、大勢の人の中を通り抜けてトイレまで行くだけでも大変に困難です。そして排泄後の処理も一苦労で、バケツで水を流して処理をするという作業もしなくてはなりません。こういった場合においては、周りの家族の協力も仰ぐことが重要になってきます。例えば、トイレまでの移動が困難で失禁をしてしまう場合などは、尿パッドの利用を試みてみるなどといった具合です。栄養不足になりがちな避難食においては、水分補給はとても重要で欠かすことが出来ません。トイレでのトラブルから、水分補給を拒んでしまう高齢者の方もいらっしゃいます。家族の方は、排泄状態を把握して水分補給を促すなどといったことも必要になってきます。

衛生について

入浴・手洗い等が十分でないため衛生状態の悪化、風呂の手すりが無い・浴槽が深い等、設備が十分でない、着替えの不足

衛生面における心配はたくさんあります。まず、入浴・手洗い等が十分でないため衛生状態の悪化という心配があります。そして毎日の歯磨きから体の衛生状態、トイレや入浴を行う場所の衛生的な問題までと様々です。歯磨きが疎かになると、それがきっかけで口内が不衛生になり、2次トラブルの原因にも繋がるため注意が必要です。入浴に関しては、風呂の手すりが無い・浴槽が深い等、設備が十分でないといったことや、着替えの不足が挙げられます。また、ゆっくりと普段の生活の様に体を洗うことが出来ずに、不衛生になりがちです。それがきっかけで感染症の原因になってしまう場合もあります。体の部分では特に陰部が不衛生になりがちですので、清浄綿で綺麗にするなどといった工夫も重要になってきます。きちんと体を清潔に保てているかどうかを確認するといった、家族や周囲の人たちの声掛けによる、衛生面におけるトラブル防止が重要になってきます。

運動について

運動量の不足による、運動機能の低下・便秘、眼鏡や杖などが無い、避難時のケガ、※保健婦に相談する

避難所では運動量の不足による、運動機能の低下・便秘の心配があります。活動性が低下すると、運動性の低下・便秘以外にも不眠などの原因にも繋がります。日中体を動かさないため、活動量も減ってしまい、夜に寝つけにくくなる原因にも繋がります。避難するときに眼鏡や杖などが無いと、ケガをしやすくなります。避難時にケガをした場合は、保健婦に相談することを忘れないようにしましょう。たいしたことないとケガを放っておくと2次感染に繋がる恐れもあるので注意してください。また普段の生活で、杖を利用している高齢者が、避難の際に杖を失ってしまったなどといったことから、杖を利用できずに動くことが困難な場合もあります。活動性の低下は、精神的な面でのバランスも崩してしまう恐れがあります。活気を失ってしまい、精神状態が悪くなるなどといった2次的なトラブルにも繋がってしまう恐れがあるので注意が必要です。家族や周囲の人たちの声掛けがとても重要になってきます。長期に渡る避難生活では、散歩や体を定期的に動かすことが大切になります。

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