身体障がい者の方の避難時で想定される困難

目の不自由な方

周囲の情報が取れないため状況判断できない

災害時には、災害の規模や状況など、まず最初に視覚情報によって把握されることから、目の不自由な方(視覚障がい者)が避難時における困難には、視覚情報による緊急事態や危険の察知が不可能な場合が多く。状況判断が難しいことがあげられます。
たとえ住み慣れた地域であっても、道や建物の状況が一変してしまい、援助なしではそれまでできていたいつも通りの行動が取れなくなってしまい、本人が非常に動揺し自信を失ってしまうこともあります。
それにより、単独での行動や移動なども素早く行えなくなってしまい、介助者なしでは動きが取れない状況になります。
また、視覚障がいのほかに、知的障がいや聴覚省障がいなど重複障がいのある人もいることが想定されます。

耳の不自由な方

見た目からはわからないため、誤解を受ける・不利益を被る

耳が不自由な方(聴覚障がい)の場合、ラジオなど音声による情報が伝わりにくく、視覚外の異変や危険の察知が困難となります。
言葉で危険や連絡を知らせるのが難しいことから、避難誘導が伝わらないため避難に遅れるだけでなく、避難後も聴覚障がいが気付かれにくく、情報が伝わらないまま放置されかねません。
筆記での伝達が可能な場合でも、混乱時には使用が不可能なことが多く、理解者も少ないのが現状です。
外見からは障がいのあることがわかり難く、混乱している避難状況下では誤解を受けやすく、言葉による意思の疎通が難しいゆえに不利益を被り、心身共に痛めてしまう場合も少なくありません。
また聴覚障がいの方には、知的障がいや肢体障がい等、重複障がいのある人もいることが想定されます。

知的障害のある方

本人だけでは判断が難しい

知的障がい者は、本人だけでの理解や判断することが難しく、緊急事態の認識が不十分であり、環境の変化による動揺が大きく順応しにくく、避難を困難にさせることが想定されます。
そのため、一人でいる時に危険が迫った場合は、すぐに保護する必要があります。
精神的に不安定になることが多いため、日常の支援者の同伴が望ましく、気持ちが高ぶった際に落ち着かせるための静かな場所の確保や、緊急事態への理解を短い言葉や絵や図を用いて伝えなければならず、対応には支援者側に一定の知識が必要となります。
施設などでの被災など、大勢の知的障害がい者の避難の問題など、その誘導や避難には知識と理解のある支援者の必要とかなりの困難が想定されます。

高次機能障害のある方

見た目からはわからないため、誤解を受ける・不利益を被る、本人だけでは判断が難しい

高次脳機能障がいは、外見からでは分かりにくく、避難時や避難所生活で周囲の人の理解や支援を得にくい場合があります。
本人だけの判断が難しく、同時にいくつもの事ができないため、混乱した被災現場に多い複数の指示通りに行動できない状態に理解が得られないのです。
自分の知りたいことや欲している事を周囲の人に伝えられず、他の人から聞いた情報も十分に聴き取れないか忘れてしまうなど理解が乏しく、配給などの支援も得にくくなりがちです。
大勢の人がいて混雑しているところでは、人や物にぶつかりやすく、避難所の目印を見落としたり、周囲の雑音や様子が気になり落ち着きを失い疲れやすく注意散漫、危険の判断がしにくいため、自ら危険な場所に行ってしまうなどの通常における想定外の行動をとってしまいがちです。
感情の起伏も激しいため、我慢ができなかったりと、待ったり我慢することが多い避難時での生活でも、周囲から孤立しがちな困難が想定されます。

支援する人が心掛けること

支援者が心がけるのは、障がいのある人への障害となる症状の知識と理解を深めることです。
障がいには、視覚聴覚、以外にも、精神的な物や身体や内部(内科的病気)があります。
それぞれの症状によって対応を変えねばならず、時として、支援者は医療や介護関係者なみの知識や理解を求められてしまいます。

まずは、市町村の広報が来た場合は真っ先にその存在と状況を知らせるようにし、必要あらば通訳や介助員、医療関係者の派遣を依頼します。
障がいは見た目での判断が難しいことから、コミュニケーション方法は複数を試みます。
音声による情報や説明、手話や筆記用具による絵図、繰り返しの説明、取るべき行動のメモを渡すなどです。
日常の支援者が同伴のほうが、上手く落ち着かせられる場合も多いです。
たとえそこまで出なくても、避難所では支給の際に変わって並んであげたり、別途配給をするなど家族の負担を軽減するのが望ましいです。

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