防災頭巾の作り方が公開されていますが、座布団などで作ると燃えるのでかえって危険です

震度7に耐えた本棚

防災頭巾とは

防災頭巾とは、戦時中に用いられた防空頭巾を原型とした頭部を保護するための簡易防具です。
頭部からかたにかけて保護する構造となっており、災害発生時には耐衝撃や火災にも対応できるよう難燃素材(表生地・中綿)を使用したものが、標準的な学用品の一つとして、幼稚園・小学校・中学校で義務付けられている地域があります。

1970年代に東海地震の危険性が危ぶまれてから普及し、地域によっては全く備えない学校も多くあり全国でばらつきがありましたが、現在は南海トラフト地震や直下型地震の発生率の高さが取りざたされているため、多くの地域で行政的に奨励され備えている学校が多いようです。
軽量でコンパクトに収納できることから、防災ヘルメットより一般的です。

可愛い防災頭巾の手作り

一昔前は、防災頭巾の形は、敗戦国ならではの防空頭巾の暗いイメージやダサくイモ臭いイメージが付きまとい、親やその上の世代が強い抵抗を示したものでしたが、現代の人は皆その様な事は気にしません。
むしろ教室で皆が一斉に防災頭巾を被った子供達の姿など、カワイイと思える位の時代です。
防災頭巾は基本的に縫製が簡単なことから、手作りが好きな人達のブログでは、沢山の可愛い防災頭巾の作り方が公開されています。

キルティング生地を使用したもの、バスタオルやフェイスタオルを利用したもの、100均のクッションを使う物、中綿に布団用綿ワタを使用するなどアイデアは様々です。
子供用手提げ袋のように、自分の物が一目でわかるようなMy防災頭巾くらい、ちょっと作ってみようと思いたくなる形もあります。
しかしこれらのほとんどが、燃える素材で手作りされており大変危険です。

防災頭巾は燃えにくい防火・防炎・不燃素材を使用しなければならない

燃えにくい生地で手作りしてくださいと幼稚園で言われ、戸惑うお母さんも多いようです。
ポリエステルなどのすぐ燃えて溶ける化学繊維は避け、綿素材を使ってくださいという事のようですが、それでは防災的には燃える素材です。

防災頭巾は、防災ヘルメットのように耐衝撃性はありませんが、その分短時間とはいえ耐熱性に優れています。
難燃素材の繊維の中綿を使用することで、水を含ませれば火災の際には熱から頭部を守ることができます。
しかし使用する表生地も中綿同様、防火・防炎・不燃素材でないと、接炎した場合焼失してしまい頭部に危険が及び用をなしません。
もし、防災頭巾を手作りするのなら、防火・防炎・不燃素材を使用しなければなりません。

可愛い生地で作りたい場合は、生地に防火スプレー、中綿に難燃素材を使用

防火・防炎・不燃素材の生地はアルミ色の素材であったり、テントやカーテン用の生地が多くメーターカット売りの取り扱いがあまり多くありません。
色があっても単一色で何とも味気なく、通販で探して購入することが可能ですが、作る意欲が半減するような生地ばかりでもあります。

どうしても可愛いプリントやキルティング素材で作ってみたい、という方のであれば、防炎スプレーという手段があります。
効果のほどは不明ですが、防炎スプレーは二次災害防止用として、木材、紙、洋服用として、被災地にも多く出荷されていた商品です。
万全ではなくても、手作り品の仕上げに防炎スプレーをしておくだけでも違います。
中綿だけでも難燃素材を使用する方法もあります。

インスタ映えよりも命を大切に

日本防災協会では、衝撃吸収試験、防炎性能試験等を行い、一定の品質性能基準に達している製品に認定を行っています。
多くの市販品の防災頭巾は、日本防災協会の認定する品質性能基準に達していません。
認定を受けた製品とそうでない製品の差は大きく、耐衝撃性はもちろん、接火の場合自己消火できるか焼失するかくらいの違いが出ており、万が一被災した場合命を落とすか否かの分かれ道となりかねない結果が出ています。

防災頭巾はまず見栄えより、防火・防炎・不燃素材であることが必須であり、インスタ映えもする可愛い防災頭巾も販売されていますが、必ず燃えない素材であることを確認してから購入することが防災の備えの条件と言えます。

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