茨城県は、ここ十数年の間に震度5以上の地震が8回もあり、いづれの場合も内陸型や三陸沖の太平洋プレートの震源に近く、全国でも大きな地震がかなりの確率で起きやすい地域です。
日本の多くの地域が南海トラフ地震の高い確率におののく中、茨城県は、南海トラフだけでなく相良トラフ、福島県沖、茨城県沖の4種類地震発生率が30年以内に70~80%と予測されています。
中でも水戸市の確率は81%と高く、普段から地震の備えが必要となる地域です。
また、利根川に近い地域では液状化現象の危険もあります。
津波に関しても海に面したほぼ全地域で、2m~5m以上の津波が予測されています。
各自治体で作成されたハザードマップについて、地域住民の理解の必要性を特に感じさせられます。
茨城県・鹿嶋市総合防災訓練
茨城県では、茨城県総合防災訓練として、毎年防災訓練を実施しています。
他県でも同様ですが、ドローンを使った防災訓練が目新しく目立ちます。
昨年度では、ドローンを使った訓練が救援物資の運送ではなく、情報収集の訓練やネットワークシステムの訓練が行われていたのが特徴的です。
訓練名:平成30年度茨城県・鹿嶋市総合防災訓練
実施日:平成30年8月11日(土)
実施場所:カシマサッカースタジアムA,B駐車場カシマスポーツセンター等
内容:訓練想定は毎年異なる・昨年度実施参考例
・自衛隊・警察・消防による倒壊家屋、座屈ビルからの救出
・医療機関による、災害拠点病院・医療救護室の運営
・災害情報ネットワークシステム訓練
・避難場所の開設・運営
・精神医療活動
・ドローンによる情報収集
小学校と市役所・地域住民の合同訓練
自主防災組織による公園・集会所利用の防災訓練
茨城県内の市町村によっては、今後30年以内に70%の以上の確率でマグニチュード7級の地震発生が見込まれる「首都直下型地震緊急対策区域」に指定されているため、自主防災組織の災害対応力向上を図るため、防災訓練実施マニュアルを作成し、円滑かつ効果的な防災訓練の実施を支援しています。
龍ヶ崎市では、災害時の避難所(小学校)の利用と地域連携から、
①小学校と市役所・地域住民の合同訓練
②自主防災組織による公園・集会所利用の防災訓練
を推進しています。
龍ケ崎市危機管理課に防災訓練日の予約をとり、龍ヶ崎消防署と調整、防災訓練実施要領作成・提出、資機材等の借用申請をして実施します。
防災に関する出張講座の依頼も受けています。
申請書付きの非常に細かく制定されたマニュアルは、わかりやすく明確で、他のもっと危険な地域の防災対策からはるかに先じた事例です。
本年度の実施予定は14箇所となっています。
龍ヶ崎市防災フェア2018
茨城県では、他の大きな都道府県のように娯楽性に富んだ防災フェアは少なく、毎年決まって開催されているものが少ないようです。
毎年行われている防災フェアでは、防災意識の高い龍ヶ崎市による「龍ヶ崎市防災フェア2018」があります。
内容は、防災フェアというより地域の公共機関・企業ぐるみの防災訓練となっています。
昨年度は、通常の実動訓練に加え新たに「災害ボランティアセンター」を立ち上げたボランティアの受け入れ対応訓練 と、国土交通省が保有する「排水ポンプ車」の操作訓練を実施しています。
実際に参加して見ないと分からない部分がありますが、市の防災訓練のコンセプトや企画が明確で、地域企業も参加し広い敷地を活かしたダイナミックな消防訓練などかなり楽しそうに行っている感じがします。
訓練名:龍ヶ崎市防災フェア2018
開催予定:平成30年8月26日(日曜日)時間は未定。
会場:龍ケ崎市文化会館
内容:講演会及び展示等
いばらき防災大学
茨城県では、自主防災組織のリーダーとして活躍できる人材を育成するため、平成13年度から、「いばらき防災大学」を開講し、防災について総合的・体系的に学ぶ機会を提供しています。
市が地域の自主防災組織の訓練を行っているのに対し、リーダーとなる人材の育成を心がけていることが察せられます。
講座名:いばらき防災大学
実施日:第1回:平成30年 6月30日(土)、7月1日(日)、8日(日)、21日(土)の4日間
場所:つくば市の筑波学院大学
対象者:原則として県内に居住の、自主防災組織等に属している方 、企業等で防災関連の業務に従事する方、市町村の防災担当者 、他防災活動に関心のある方 。
内容:自主防災活動、地震・風水害対策などに関する講義。
定員:200名
※修了者は、防災士試験の受験資格が得られます。