胸部、腹部、背中を強打した際の応急手当

胸部は心臓がある部分であり、心臓には血流を全身へと送る役割があるので強打した際にはまず血流を確保することが重要となります。まずは怪我をした方の反応と呼吸を確認します。この時に呼吸が無ければ心肺蘇生法が必要となります。心肺蘇生法は胸骨圧迫やAEDを使用した蘇生法です。最近ではAEDを設置している場所も増えています。意識と呼吸が両方ともしっかりとしている場合は上体を45度くらいに起こします。この時、柔らかいクッションや下敷きにしても問題のない衣類などがあると起こしやすいです。あとは衣服を緩めて胸元を広げます。もし、傷や出血などがあった場合には清潔なガーゼなどを使用して拭き取りますが、傷口を広げない様にゆっくりと拭くのがポイントです。

胸部には心臓の他にも肺や太い血管などがあるので強打した直後の様子が問題なさそうでも、油断できない部分の1つです。呼吸困難になっている場合は特にすぐに施術をうけないと危険な状態になってしまう可能性があります。心臓を覆っている心膜腔に血液が貯まる心タンポナーデになっている場合は、外科的な処置が必要となります。とにかく心臓を強打した方がいた時は医師が到着するまでに繋ぐ処置が重要となっています。呼吸や血流の不順などを緩和するための処置を行う必要があります。ただし、肺などを素人の方が圧迫することにはリスクを増大させてしまう恐れがあるので、無理な手当を行うことなく安全に最大限に配慮することが重要と言えます。

腹部も重要な臓器がたくさんある部分です。骨のない部分もあるのでダメージをフルに受けてしまう可能性もあります。腹部を強打した方がいた場合はまず仰向けに寝かせます。その後、腹筋を弛緩させるために丸めた座布団などを両膝の下に置いて挟むようにします。脚と地面で三角形を作るようなイメージです。膝の角度は90度以下にならないようにすることをおすすめします。その後は衣服を緩めて腹部を広げます。その時に小さな傷口があった場合にはガーゼなどを当てるようにしましょう。内臓に変調をきたしていることが外見からも明らかな場合は、もちろんすぐに119番へと連絡する必要があります。吐き気があるという時は顔を横向けにします。

腹部には胃や腸、肝臓、すい臓、脾臓などがあり、外見から分からなくても損傷や破裂をしているというケースは存在します。吐き気を伴った際に適切な方法で吐くこと自体は健康上問題がありませんが、上を向いた状態では喉が詰まってしまう恐れがあります。そういった意味でも横を向かせることは重要と言えます。医師に診察してもらう際には応急処置を行った方からの情報が重要となります。そのため、気になったことがあれば伝えられるように覚えておくか、メモしておくことをおすすめします。適切な情報を伝えることによって、医師の治療が円滑にスタートしやすくなります。応急処置から医師へとどう繋ぐかについても大切なポイントとなっています。

背中は体の中では比較的頑丈な部分ですが、脊椎の損傷があった場合は手足を動かしにくくなったり、感覚麻痺などが起こったりすることがあります。背中を強打した場合にも仰向けの姿勢にする必要があります。頸部と体幹がねじれないようにするのが大きなポイントです。うつぶせに倒れている方をねじれないようにするのは難しいこともありますが、その場合は数人で協力して応急処置をすることをおすすめします。意識がある場合は顔の両側に丸くたたんだタオルなどを置くことで首をある程度固定することが出来ます。背中を強く打っている場合は担架での搬送が必要となりますが、脊椎を傷つけないためにも出来るだけ救急隊に任せるのが良いとされます。もし、救急隊がいない場合も慎重を期すようにしましょう。

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