突然の激しい胸痛と呼吸困難には、心臓発作などの重篤な病気を原因として抱えている場合が多く、一刻も早い119番通報と同時に、周囲の人たちが手分けをしてAEDの手配と応急処置を行う必要性があります。
一時的な胸痛や呼吸困難であれば、循環器系・呼吸器系の病気が疑われます。
いずれの場合でも、応急処置後には、各診療科の揃った入院施設のある総合病院へ搬送するのが望ましいです。
胸痛の場合、胸のどの場所や痛む時間、痛みの種類、呼吸の有無、胸の痛み以外の症状を確認します。
胸の中央付近の激しい痛みは、心筋梗塞、大動脈解離、肺塞栓症などが疑われます。
咳や呼吸で強まる胸痛には、心筋炎、自然気胸、急性気管支炎、急性の呼吸困難には、肺炎、肺水腫、気管支喘息、心臓性喘息、過換気症候、慢性の呼吸困難には、肺気腫、慢性気管支炎、心臓弁膜症…と、専門医による診察と高度な精密検査が必要となります。
激しい胸痛と呼吸困難になった際の応急手当には、以下の方法があります。
多くの場合、119番通報をしたのち救急隊員が到着するまでの間に行います。
その間は、通信救急員の指示に従います。
まず患者の衣類やベルトを緩め、楽に感じる姿勢にします。
たいていの場合、足を延ばし背中の後ろに壁や椅子、畳んで丸めた布団などを置き、背中をもたれるようにな寄りかかる半坐位の姿勢が有効です。
意識や呼吸が安定してきたら、そのままの状態で安静にします。
万が一呼吸が停止している場合には、知識のある人がいればできる限り早く胸部圧迫による心肺蘇生や、AEDを使用した救急蘇生法を行います。
一刻も早い119番通報と同時に、周囲の人たちが手分けをしてAEDの手配をしていると応急処置が速やかに進行します。
最近、TVの生中継中に、若い女性グループの歌手が過呼吸発作を起こして倒れるアクシデントが頻発しています。
過呼吸発作とは、短い時間に浅い呼吸を繰り返し早くしたことにより起こりやすくなります。
体内の酸素量が増えすぎ、血液中の二酸化酸素が極端に減るため、動機やめまい、手足のしびれなどの症状が起き、発症者は死の危険を感じてパニックとなりますが、命にかかわることはないため、落ち着いてただしい処置をとることが大切です。
過呼吸発作は、早ければ10~30分で収まり、遅くても1時間以内に自然に回復するため、慌てず落ち着いて対処するようにします。
周囲の人は、胸や背中に手を当て、呼吸を速度を下げさせ、浅くゆっくりとした呼吸を促します。
息を吸った後は、1、2秒息を止め二酸化炭素濃度を上げます。
吸い込んだ息は、10秒かけて吐き、周囲が掛け声をかけてあげると本人がやりやすくなります。
激しい胸痛の症状で倒れる人の中には、狭心症など、初めての症状でない人もいます。
椅子に座ったりしゃがみこんだりとまずは安静にし、発作を引き起こす原因となった直前にしていた運動を中止させます。
激しい胸痛が初めて症状ではなく病院で受診と処方を受けている人は、手元にニトログリセリンなどの錠剤の処方薬を所持し携帯しているため、速やかにその有無を確認します。
もしある場合であれば、薬剤を舌の下に入れて対処します。
しかしそれでも猛烈な胸痛が30分以上にわたって続き、薬剤を使用しも症状が寛解しないようであれば、心筋梗塞の発作など重篤な原因が疑われます。
患者をその場に安静にしたまま、大至急救急通報をし、専門病院へ搬送します。
激しい胸痛と呼吸困難になった際の応急手当、特に、意識や呼吸がない場合に行う胸部圧迫による心肺蘇生や、AEDを使用した救急蘇生法ができる人はどれくらいいるでしょうか。
多くの医療施設および大型商業施設や公共機関には、AEDの設置が普及しており、その場に居合わせた人が使用できるようになっていますが、その知識をあらかじめ少しでも持っている人の数はまだ非常に希少です。
多くの人たちは、TVの報道番組で胸部圧迫による心肺蘇生や、AEDを使用している様子を目にしたことくらいはある程度で具体的な知識は持ち合わせておらず、いざという時にすぐ性格に動けれるレベルではありません。
これからの高齢化社会や防災対策として、教育の義務化など知識と経験のある人を増やしていく必要を感じます。