マンションには揺れる向きがある、家具には倒れる向きがある、地震のことを考えて建物の方向と家具の方向を配置する

震度7に耐えた本棚

ここ数年の間に大きな地震があちこちで起こり、その凄惨な被害の状況をメディアで目にする人は多いと思います。
斜めに傾いたビル、倒壊してしまった家屋。
その映像を見るたびに「我が家は大丈夫かしら」と心配になりますよね。
とくに集合住宅に住んでいると、グラグラと揺れる建物の状態を見るたびに震え上がってしまいます。
大きな建物が倒れる場合、ある共通した特徴があることをご存知ですか?
低層のアパートや高層のマンションであっても、その特徴は同じです。
多くの集合住宅を上から見たとき、正方形の形をしていることは稀で、大抵長方形の形をとっています。
建物をこんにゃくに例えると分かりやすいかもしれません。
こんやくも上から見ると長方形です。

さて、このこんにゃくの下の方をもって前後左右に揺らしたと想像してみてください。
どちらに揺れますか?
長方形の1辺の長い方と短い方では揺れ方は全く違っていて、当然、短い方向へ大きく揺れるのがイメージできると思います。
鉄骨・鉄筋が入ったコンクリートの建物であっても、同じ現象が起こるのです。
では、家の中にある家具はどのように揺れるのでしょうか。
本棚やタンスを上から見ると、これらも基本的に長方形のものばかり。
つまり、建物と同じように、短い方向へ動きます。
建物の場合は、一戸建てでもマンションでも耐震のための基礎工事がなされているため、
大きな地震がきても、土台基礎が建物はしっかりと掴んでいます。
ところが、家具には土台となるものがないため、短い方向への揺れ方は
激しいです。

そのように揺れてしまうのは家具ばかりではなく、電化製品も長方形の形をしていれば同様です。
冷蔵庫や大型テレビなどは重量も相当なので、一度揺れ出して慣性がついてしまうと、たちまち倒れてしまうことでしょう。
では、どうしたらいいのでしょうか。
家具や家電の下敷きになってしまうことを防ぐポイントは、ずばり家具の向きです。
建物が揺れるのは、長方形の辺の短い方向ですよね。
ですから、家具はその方向より90度回転させて配置すれば、大きく共振してしまうことを防ぐことができるのです。
大きな地震であった場合や揺れが長引いてしまったときは、倒れることを防ぐことは難しいかもしれませんが、
揺れが起こった家具の下から逃げ出す時間は稼げるはずです。

とはいっても、家の中には様々なドアや窓があり、それらの位置や部屋の形によって、家具が置けるスペースには制限があることが多いです。
インテリアを見直すつもりで、紙に部屋の間取りと家具の配置した図を書いてみて、地震に見舞われた場合の予測をしてみることをおすすめします。
とくに、子供部屋や寝室などの安全は真っ先に優先しておきたい場所ですよね。
子供部屋には本棚や2階建てベッド、寝室には背の高いタンスがあったりして危険がいっぱいです。
背の高い家具が揺れた場合を予測して、配置のし直しがきくのであれば、適した位置に移動させるのは賢明です。
またテレビの足元は意外と貧弱で、少し押しただけで倒れてしまうことも。
寝室にあって、あまり利用していないのであれば思い切って違う部屋に移動させましょう。

日本は地震が多い国です。
いつどこで大きな揺れがきても不思議ではありません。
新しく家を探す場合は、間取りなどに気を取られがちですが、地震がくる可能性を考慮して、建物の形や向き、そして窓やドアの位置もぜひ確認しておきましょう。
また、新居へ引っ越すタイミングで家具を新調することも多いですよね。
イメージしたインテリアに合わせ、デザインを重視して購入を決めてしまいがちです。
ですが少し視点を変えて、まずは安全面からの検討を始めてみてはいかがでしょうか。
建物の揺れ方から予測したよい位置に家具が置ければ安心です。
とくに無防備になる寝室に置くものは慎重に選び、部屋の間取りをもとに大きさや重さの確認をしておきましょう。

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