地震による、1階、2階のリスクを知る

地震における1階のメリット

地震が来た時に、一般的な戸建ての1階の最大のメリットは、逃げやすいことです。
1階を寝室にすると、避難が遅れがちな就寝中に地震があった場合、すぐに玄関に行けます。
万が一玄関から逃げられなかったとしても窓から逃げやすいです。

また地震の後に注意したい火災においても、火は上に伝わるの性質があるので、キッチンを2階にして1階を寝室にしていれば、被害にあいにくいと言えるでしょう。

ただし、これは耐震性がしっかりしている建物の話しになります。
新耐震基準を満たした建物、更に木造では2000年6月1日以降のものが安全性が高いと言われています。

そして、もし新築改築をする場合、2階に柱の間隔が長い広いリビングを置き、1階は柱の間隔が狭い寝室や個室にすると、倒壊に対して安心です。

地震における1階のデメリット

地震における1階のデメリットは、倒壊で圧し潰される可能性があるということです。
特に旧耐震基準の建物、または新耐震基準でも経年劣化が激しい建物の場合は、倒壊する可能性が高くなります。

ですから新耐震基準、更には木造であれば2000年6月1日以降のものがより安全です。
木造に関しては2000年に、より地震に強い基準に改正されたからです。

しかし、2016年の熊本地震においては、新耐震基準の建物であっても7.6%が倒壊しました。
なぜならば、耐震基準において想定外の震度7を2回記録したからです。
それなので耐震基準を満たしていたとしても絶対安心という訳ではありません。

特に1階に広いリビングがある、大きな吹き抜けがある場合は耐震を見直した方がいいことがあります。

地震における2階のメリット

地震において2階のメリットは、圧し潰されにくいことです。
もし耐震に不安がある場合は、寝室は2階に持ってきた方が安全です。
特に旧耐震基準の建物は、熊本地震で32.1%倒壊しています。
しかし、阪神淡路大震災では、新耐震基準でしかも新築間もない家の一階が圧し潰されたケースがありました。

それは1階に広いリビングがあったからです。
つまり、柱の支えが少なかったことが原因です。
一般的に12畳以上の続き間があると倒壊しやすいと言われています。
窓が多くて壁が少ない家、ガレージがある家も支えが少なくなります。

ですから、倒壊で圧死するのを防ぐために、耐震基準だけで判断せず、1階が倒壊する可能性が高い要素がある場合は、2階で寝るのが安全と言えます。
大きな地震では揺れている最中は壁につかまるのが精一杯で、とても身軽に動けないというのが現実です。
それでも昼間活動しているならまだ動きやすいですが、眠っている状態から地震を感じて逃げるとなると、逃げ遅れる可能性が高くなるからです。

地震における2階のデメリット

地震において2階のデメリットは1階に比べて脱出しにくいことです。
地震だけの場合は、まだ逃げるのはたやすいかもしれません。
しかし、1階で火災が起こり階下に降りられないときは、火は上に回るので脱出は一刻を争いますが、2階だとロープなどの設置で降りるのが手間取る場合もありますし、1階の天井が高い場合は、下手をして飛び降りると大けがや死亡の可能性もあるからです。

また、身動きがとりにくい高齢者は特に2階からの脱出が困難ですし、小さい子どもがいて親が抱いて脱出したとしても危険です。

確かに耐震が心配な場合は、圧し潰されることを考えれば2階の方が安全ですが、2次災害の火災を考えるとよく検討することが必要です。
どうやって避難するかの方法と手順を考え、避難用のはしごなどを準備しておくことも大切になります。

地震における1階と2階のメリットデメリットのまとめ

一般的な戸建ての1階と2階では、地震においてそれぞれメリットとデメリットがあります。
そしてそれは、主に耐震性により違ってきます。

まとめると、次のようになります。

・耐震が強い場合は1階が有利
・耐震が弱い場合は2階が有利

しかし地震そのものに対しては2階がいいと言えます。
なぜなら耐震に100%大丈夫というものはないからです。
基準を満たしていると言われても、新築時の手抜き工事や、リフォームしたときに、せっかくの耐震性を弱めているような悲しい事例もあります。

また上記で紹介させていただいた耐震を弱める条件以外の不安要素があります。
最近では国が想定した以上の大きな地震が起こっていますし、地震自体も多いので、一度ある程度大きな地震に遭った家は、そのときは問題なかったとしても、次の地震が来た時の耐震性は、弱くなっていることもあり得るのです。

けれども火災発生時や高齢者など身動きが取りにくい方がいる場合は、1階にいた方が脱出しやすいです。
つまり、耐震性を出来る限り高め、その家族の特性に合わせ寝室など部屋の配置を考えることが必要になると言えるでしょう。

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