地震による津波の対策

地震による津波の被害

地震によって発生した津波の大きさによって、被害の大きさも変わってきます。
大津波警報が発令される津波の高さである、5mから10m越えの津波が想定される場合、木造の住宅は倒壊し、人や家屋もろとも流れるほどの甚大な被害が予想されます。
津波警報が発令される、およそ3mほどの高さが想定される場合は、標高の低い地点において浸水が発生し、人が流されるといった被害が予想されます。
津波注意報が発令される、およそ1mほどの高さが想定される場合は、海水浴等で海の中にいる人は波に巻き込まれる、漁業で用いる養殖いかだなどが流れてしまう、小型船が転覆するなどといった被害が予想されます。
津波が押し寄せた地域は、のちに潮が引いたあとでも土壌に塩分が多く残ってしまうため、その土地で農業を営む人々に甚大な被害を及ぼします。また、流されてきた瓦礫やゴミなどで溢れかえり、それを除去するのにも多大な時間を要することになります。
ライフラインである電気やガス、水道なども止まる可能性があり、津波の被害は一概に大きいものであると言えます。

地震発生からの津波の到達時間

津波は海底までの深さによって伝わる速度が変わってきますから、地域によって津波到着時間は変わってきます。水深が深いほど津波の速度は速くなり、浅いほどゆっくりと伝わるので、陸地に近づくと急激に波が高くなるという現象が発生します。速度としては、およそ秒速数十メートルで、早ければ地震発生後から3分ほどで津波が押し寄せる可能性があります。そのため地震発生後、TVやラジオなどで警報で情報を得てからの避難で良いとのんびりしていると、避難が間に合わない可能性があるので注意が必要です。
具体的な例を挙げると、日本から非常に遠いチリで発生した地震による津波は、約22時間かけて日本の三陸海岸に到達しています。日本では揺れていなくとも、津波がきたケースです。
記憶に新しい東日本大震災における津波は、観測された第1波としては約8分後に大船渡港に到達しています。
津波は何度も押し寄せるため、初めに津波が到達した後も引き続き注意しなくてはなりません。

津波から逃げられる高さの海抜

避難先の一応の目安としては、海抜5m以上の高さの高台、もしくは地震による倒壊の心配がない3階以上の鉄筋の建物に避難することが推奨されていますが、各地域によって想定される津波の高さはまちまちです。
津波の予測は難しく、気象庁等で発表された情報よりも実際には高い津波が押し寄せるという事態も起こり得ます。ですから「何mの高さに逃げれば安心」というのは一概に言うことができないのです。
例え高くて丈夫な防潮堤があったとしても、安心はできません。10mの津波を想定して10mの高台に逃げたり、防潮堤を建てるのでは意味がないからです。なぜなら津波の高さは、駆け上がりという現象によって実際の数値より2倍から4倍もの高さになることが判明しているからです。
したがって、各地域の事前の浸水想定等の情報と照らし合わせながら、とにかく可能な限り高いところへ避難するということが大切な命を守ることに繋がるのです。

防災マップ、ハザードマップで安全な場所を把握。遠いところではなく、高いところに。

万が一の事態に備えて、事前に住んでいる地域の地形や避難場所を把握しておく必要があります。津波による被害が想定されている地域では、自治体によって出されているハザードマップや防災マップをしっかりと読み込み、避難経路をシュミレートすることが大切です。ただし、予測された被害を超えた津波の被害が起こる可能性もありますから、臨機応変に対応して避難先の変更や経路の変更などを率先して行っていがなければならないということを心に留めておきましょう。はじめて訪れた地域で津波に巻き込まれた際には、津波避難場所マークなどを確認しながら避難してください。
また津波は川などの何も遮蔽物がない場所を恐ろしい勢いで遡っていきますから、遠いところではなく高いところへ非難するということを大前提としてください。

車ではなく、歩いて避難。子供一人でも逃げられるように日ごろから訓練する。

津波の押し寄せる速度は非常に速いですが、だからといって車で避難するのはかえって危険となることがあります。避難を急ぐあまり、車が溢れかえって大渋滞を引き起こす可能性があるからです。この渋滞に巻き込まれてしまったら、逃げるにも逃げることができなくなってしまいます。したがって急いでいたとしても、必ず徒歩で避難場所、高台に逃げることが大切です。
また、津波発生時に家族全員が同じ場所にいるとは限りません。もし子供が1人で家で留守番していたらという事態も想定して、子供自身が判断して避難できるように、家族で共通の避難先を決めておいたり、どのような経路で避難場所に向かうか等の決め事をするなどして、日頃から家で訓練しておくことが大切です。

スポンサーリンク
広告(大)
広告(大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
広告(大)
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。