地震による火災を防ぐために

地震による火災の原因は電気機器や配線

これまでに日本は、大規模な地震の被害に見舞われてきましたが、そのつど激しい火災が発生し、被害をさらに深刻な物にした経緯があります。
過去の記憶が薄れてきていた関東大震災時の火災の教訓は、教育の現場での指導もあり、火の元を断つという知識としてあってもほとんど役に立っていませんでした。
その後に起きた阪神・淡路大震災、東日本大震災の地震による火災の原因のほとんどは、近年普及した電気機器や配線による物であり、地震と同時または地震後に起きる火災は、過去の災害から予測はされていても、多くの人にとって無警戒な事でした。
地震によって、どうしてこうもたやすく火災が発生してしまうのでしょうか。
地震が火災につながる理由を解説いたします。

地震時の行動は、電気機器を切る、ブレーカーを切る。ただし、まずは逃げること(避難経路の確保)。

大きな地震の際には、コンロやストーブ等の火や通電を断っておくチャンスは3度あります。
大きな揺れの来る前の小さな余震時、大きな揺れが収まった時、初期消火の出火後の1~2分間です。
大きな地震後の後に起きた火災の多くは、停電後に復旧した電気器具による「通電火災」がほとんどでした。
これを防ぐには、ブレーカーを落としておくしかありません。

関東大震災で災害の元になった都市ガスやLPガスは、現在では震度5以上の揺れでガスが遮断する装置が設置されているため、使用中や器具やパイプなどの破損がなければ心配いりません。
まずは火の元を探して右往左往せず、身の安全を確保することを優先し、避難経路を確保して避難することが大切です。
避難で自宅を離れる場合には、必ずブレーカーを落とし、全ての電気器具のプラグを抜いておくようにします。

火災の多くは地震の後に起こる。

阪神・淡路大震災では、真冬だったために電気ストーブなどの暖房器具が使われていたため、転倒した家具が使用中の火の元に接触する形で火災が発生しました。
しかし、電気器具が原因の火災の多くには、地震後の停電が復旧した際に発生する「通電火災」があります。
停電により一見停止したように見える電気ストーブや照明器具も、電気が復旧すれば通電し、スイッチが入ったままであれば、加熱します。
電気ストーブが転倒したまま、燃える物が触れた状態で加熱し、電気具のコードが圧迫されて傷んでいた所からもショートし、漏電や発火の原因となっています。

東日本大震災では、津波が原因の火災が発生しています。
地上のガソリン・軽油・重油・プロパンなどの燃料タンクの破壊によって、水に浮き、壊れた家屋の木材と共に燃えやすい層を作り、ひとたび火が付けば、水の流れに乗ってどんどん広がるという火災を引き起こしていました。

地震後の、電気機器の再使用には十分な安全確認を。

大きな地震の後では、ガスも電気も止まってしまいます。
通電していなければただ転倒していただけに見える電気器具の再利用には、十分な安全確認が必要です。
通電火災の恐ろしさは、電気器具以外の思わぬところから起きてしまうため、落下物や転倒で傷ついた電気コードなどにも注意を払う必要があります。

手伝後の電気を復旧する際は、電気機器のプラグをすべて抜いたうえで、落としておいたブレーカーをひとつづつONに戻していきます。
このとき電気メーターが動いたりブレーカーが落ちるようであれば、配線の漏電が疑われるため、その回線は使用できません。
分電盤に異常がなくても、電気機器のプラグをつないでいき、電気メーターが動いたり、ブレーカーが落ちれば、その機器の漏電を疑われるため使用しないようにします。

火災を防ぐために常日頃から電気機器周りの安全確認を怠らないこと。

震災への対策も重要ですが、その後に起きる火災を防ぐためにも、日常的に電気器具周りの安全確認に注意を払うことが大切です。
電気器具は正しい方法で使用しているかどうか、可燃物の落下の有無を配慮して適切な場所に設置し、周囲が転倒家具で囲んでいないかどうか、不要な電気機器のプラグは抜くか通電しにくいコンセントに変更、分電盤の位置を把握しておきます。

感電ブレーカーは、設定値以上の揺れを感知した場合、自動で電気の供給を遮断する装置です。
各家庭に設置することで、使用中の電気火災や地震後の復旧による通電火災のリスクを抑えるものになり設置が推奨されているものです。

緊急時は、身の安全を確保することの方で精いっぱいとなるため、いくら知識があってもその通りには動けないものです。
少しでも安全に暮らしを保つためには、日頃の安全確認が大切です。

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