オフィスビルで地震に遭遇したら

オフィス内にいる場合、ガラス等の破損がある

近年のオフィスの建物、とくに高層ビルディングは、震度7前後の地震に耐えられるように設計されています。
地震に耐えられるといっても、建物が揺れないという意味ではありません。
ガラスや陶器など、衝撃に弱いものは破損しますし、パソコンなど軽量の機器が飛んだり、棚やロッカーは倒れてしまいます。
耐震性の高いオフィスビルの中にいても、地震への備えは忘れないようにしましょう。

耐震性の高い建物は、適度に揺れて衝撃を逃がすことで、建物全体が壊れないしくみになっています。
地震に遭っても全く揺れない設計にすると、かえって建物が壊れやすく、建物内にいる人にとって、むしろ危険だからです。
ガラスが割れたり、物が飛んでくる可能性はありますが、建物自体が壊れる可能性は少ないということを、憶えておくと安心です。

オフィスの耐震対策(家具、什器、機材の固定・蛍光灯の落下防止)

オフィスで地震に遭ったら、机やテーブルなど、身体を保護できる什器の下にもぐって、揺れがおさまるのを待ちます。
ところがオフィスの什器や機材が固定されていないと、地震が来た時に身を護るどころか、かえって危険の原因になります。
パソコン等の小型の機材は、地震の揺れで飛ばされないように、ふだんから固定するのがおすすめです。

蛍光灯など天井に設置されている什器は、地震で割れたり落下しないものを使います。
コピー機やロッカー・書棚など、大きく重い設備は、地震で床が傾くと簡単に移動したり、倒れてしまうこともあります。
車輪がついているものは車止めをつけたり、壁に固定具でつなぐなどの工夫が必要です。

会社やオフィスビルでは、法律によって防火管理者と、防災マニュアルを決めておくことが義務づけられています。
揺れがおさまったら、防火管理者の指示や、建物の防災のルールに従って、落ち着いて避難します。

エレベーター、エスカレーターで移動時の避難

エレベーターには地震を感知する機能があり、エレベーター内にいる人が避難しやすいしくみになっています。
震度4以上の地震を感知すると、もっとも近い階で停止してドアを開き、すぐに避難できます。

古いエレベーターに乗っているときに地震に遭った場合は、全ての階のボタンを押すと、最も近い階に止まります。
最も近い階がどこか考えこむより、すぐにすべてのボタンを押した方が、早く避難できます。

地震の規模によっては、エレベーターが動かなくなったり、閉じ込められてしまうことがあります。
エレベーターから出られないと判ったら、エレベーター内に設置されたインターホンを使って、サービス会社と連絡します。

エレベーターのサービス会社は、連絡を受けて救助を手配したり、救助を待つ間の過ごし方を教えてくれます。
エレベーターによっては、非常用の飲料水や簡易食、簡易トイレなどが設置されています。

エスカレーターは、地震を感知すると即座に停止するため、ふだんから手すりにつかまっていることが大切です。
エスカレーターが急停止しても、しっかり身体を支えて安全を確保し、避難することができます。

避難訓練(経路の確保)

規模の大きいオフィスビルでは、防災マニュアルを作ったり、避難訓練を行うなど、地震の被害を防ぐ取り組みが行われています。
ふだんから非常口を確認しておいたり、避難訓練には積極的に参加して、いざという時に備えましょう。

オフィスを整理整頓して、避難経路を確保しておくことも大切です。
避難訓練の時に避難経路をふさいでいた機材や什器は、実際の地震で避難する時にも、避難の障害物となる可能性があります。

パソコンの固定やデータのパックアップも、地震対策の1つです。
地震で避難する時、パソコンやパソコン内のデータも同時に避難できるとは限りません。
パソコンを机に固定したり、データのバックアップを定期的に行うと、地震の影響を避けられます。

帰宅困難時への備え

オフィスのルールによりますが、通勤距離が20km以上の人が、地震の際の帰宅困難者です。
首都圏の場合、500万人以上が帰宅困難者と推定されています。

会社によっては帰宅困難に備えて、会社と社員の連絡手段を確保したり、防災のルールが決められていることがあります。
会社の防災ルールに従って、携帯電話の番号やメールアドレスを登録したり、帰宅困難への備えを確保しておきます。

自宅までの距離が20km以下でも、徒歩での帰宅が困難と思われる場合は、社員自身が地震に備えることが必要です。
徒歩で帰宅する際のルートを確認しておいたり、非常食や防災セット、歩きやすい靴などを準備しておきます。
地震の規模が大きいと道路状況が変わることがあるので、複数の帰宅ルートを想定しておくと安心です。

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