地震は3分の1の確率で無防備な寝室で起こる
近年は大きな地震が頻発しており、また近いうちに南海トラフ大地震が発生するだろうと予想されていることなどもあり、地震対策に気を遣っている方は多いでしょう。
家の防災を考える際、まず考慮しなければならないのは寝室です。
人は1日の約3分の1程度睡眠します。これは、地震が発生した時、約3分の1の確率で人は寝室で無防備に寝ている状態であるということを意味します。
そのため、睡眠中に地震が起きた際に自分や家族の怪我のリスクを少しでも減らすよう、家具の配置や設置方法などに十分に留意して部屋作りを行う必要があります。
また、いざ地震の際も慌てず確実に避難できるような状態を常に保っておかなくてはなりません。
ここではそうした寝室の防災におけるポイントをまとめます。
窓ガラスとベッドの配置に注意
まず注意して考えるべきは窓ガラスとベッドの配置です。
大地震が起きると建物がひずみ、窓ガラスに大きな負荷がかかってすぐに割れてしまいます。そうして割れたガラスの破片は勢いよく飛散して怪我の原因となり、実際に飛んできた破片で大怪我をしたという事例もいくつもあります。
そうしたリスクを減らすためにも、まずベッドは窓ガラスから十分に離れた場所に配置しましょう。
また、カーテンやブラインドを閉めることも飛んでくる破片の勢いを減らすという点で有効ですし、最近は窓ガラス飛散防止フィルムという便利なアイテムも簡単に手に入ります。こうしたものを窓に貼るだけで、更に怪我のリスクを減らすことができるでしょう。先に書いたように寝室は防災における重要ポイントですので、防止フィルムの寝室から優先的に貼ると良いでしょう。
寝室の背の高い家具には十二分の対策を
次に、箪笥や棚などといった背の高い家具についてです。こうした家具は地震の際に転倒の恐れが高く、またそのような家具の転倒は地震の際に室内で怪我をする大きな原因の1つです。しっかり対策して、怪我のリスクを減らしましょう。
防災の観点からは、寝室には背の高い家具を一切置かないというのがベストです。しかし現実的にそうもいかない場合も多いので、以下のように対策して下さい。
まず、転倒を防ぐため、家具はしっかりと壁や天井に固定しましょう。これにはチェーンやL字器具、突っ張り棒などが有効です。
また、家具の転倒は防げても、その上に乗っているものや収納物が落ちてくるのであればまだ危険です。
扉式の棚などは扉にチェーンをつけて振動で開かないようにし、また上には物を置かないようにしましょう。
照明、鏡、額縁、割れるインテリアのリスク
窓ガラスの危険性とその対策については既に書きましたが、他にも照明、鏡、額縁、ガラス製インテリアなど割れる恐れのある家具は全て怪我の原因となります。以下のように対策して下さい。
まず照明については、地震で大きく揺れるのを防ぐため、天井に直付けのタイプを選びましょう。また、割れた際も破片の飛散を防ぐため、カバーのついたタイプを選ぶとよいでしょう。飛散防止タイプの蛍光灯なども売られており、こういったものも地震対策には有効です。
鏡台については、ほぼ窓ガラスと同じ対策(ベッドの近くには置かず、鏡には保護フィルムを貼る)をとりましょう。
額縁や割れるインテリアについては、原則として寝室には飾らないことをおすすめします。
枕元に置くべき防災グッズ
睡眠時に地震が起きた時の対策としては、怪我が起きにくくなるような上記の工夫だけでなく、落ち着いて避難できるような準備も大切です。普段から枕元に必要な防災グッズを置いて、いつでも避難できるようにしておきましょう。
まず必須なのが懐中電灯です。睡眠時に地震が起きて停電した場合は真っ暗になりますので、足元や手元を照らせる明かりが必要です。
いざという時にきちんと使えるよう、電池の残量は常にチェックして起きましょう。
次に靴も置いておきましょう。家中にガラスが飛散している恐れがあるので、靴なしでの移動は非常に危険です。
最低限でも以上の2つは必要ですが、他にも軍手や、必要な方はメガネや普段から服用している薬なども準備しておけば慌てずに済むでしょう。