大阪北部の地震での教訓~ブロック塀のある家をどうやって改善していくか

ブロック塀は地震の度に凶器になっていた

これまで大きな震災が起こる度に問題視されてきたブロック塀の危険性。

1978年に起こった宮城県沖地震で28人の犠牲者のうち実に18人もの人がブロック塀などの倒壊が原因で命を落としたことで、その3年後、建築基準法施工例が改正され規制が強化されました。

・高さは2.2m以下

・厚さは15cm(高さ2m以下は10cm)以上

・塀の上と基礎に径9mm以上の鉄筋を配置

・壁の内部には径9mm以上の鉄筋を縦横80cm以下の間隔で配置

・長さ3.4m以下ごとに控壁を設ける

・基礎は30cm以上地中に埋め込む

これらの点が定められましたが、規制が強化されたことにより一体どのくらいの地震に耐えることができるのでしょうか。

気象庁の見解では、震度6強では補強されていないブロック塀のほとんどが崩れ、震度7になれば補強されているブロック塀も破損するものがあるとされています。

規制を守って設置されたブロック塀であっても耐用年数は30年前後とされます。

これを機に自宅のブロック塀が大きな地震に耐えられるか、見直してはいかがでしょうか。

2018年6月18日に起こった大阪北部の震度6弱の地震では、2人がブロック塀の下敷きになり命を落としました。

これまでの教訓がなぜ活かされなかったのでしょう。

建築基準法に基づいて行われる3年に一度の定期点検が基本的な内容に限られる上、一般住宅が対象外になっていることもあり、多くの自治体が全てのブロック塀の現状を把握できていません。

さらに今回小学4年生の女の子が犠牲になった小学校のプールに設置されたブロック塀に関してはその危険性について報告はなく、違法状態のままで放置されていたとみられるのです。

ブロック塀から命を守る為には一人一人の危機意識を高めることが大事

今回の大阪北部での地震により、改めてブロック塀の危険性と、現状を把握していたのであれば違法であり人災であるのではという問題が浮き彫りになりました。

危険なコンクリートブロック塀の改修の場合、低くしたブロックの上に軽いアルミなどの金属の柵などにするよう指導されているようです。

では、危険なブロック塀だとわかった場合、撤去にいくらくらいかかるのでしょうか。

塀の大きさや場所にもよりますが、1平方メートル(ブロック約12.5個分)当たり約5000円となるそうです。

工事の諸経費なども含めると、一般的な住宅のブロック塀で15万?20万円程度はかかります。

しかしこれはあくまで母屋と共にブロック塀を取り壊す場合の目安で、ブロック塀のみの撤去は手作業となり、さらに費用がかかるといいます。

ある自治体ではブロック塀を撤去し、代わりに生け垣などを設置する場合、最大25万円を補助しています。

しかし昨年度の申請件数は2件にとどまり、ブロック塀の危険性について啓発を行っていてもブロック塀の危険性を感じていない住民が多いことがわかります。

こうしたことからも、悲劇を再び繰り返さないためには点検や撤去を促す注意喚起にしっかりと反応し対応する個人個人の意識の高さと危機感を強く持つことが最も大事なことだと感じます。

危険なブロック塀を見つけたら

もしも、子供たちの通学路や近所で危険なブロック塀を見かけた場合、一体どうすればいいのでしょう。

危険を回避するため、通学路では危険なブロック塀や石垣などの反対側を歩くようにと教えることで子供たちの危機意識を高めることも大切ですが、できることならそんな危険なブロック塀がなくなることが一番理想ですよね。

しかし、法律改正より前に作られたブロック塀は、設置当時は違法ではなかった為に既存不適格となり、法的に規制できないのです。

しかし、だからと言ってひび割れや劣化が目立っていたり傾いていたり、高さのあるブロック塀が身近にあれば、震災が起こる怒らないに関わらず、怖いですよね。

そんな時はまずは自治体に相談することをおすすめしますが、それでもどうにもならない場合、トラブルにならないよう充分注意を払いながらブロック塀の撤去を所有者にお願いしてみるのもいいかもしれません。

ブロック塀の危険性を伝え、自治体の補助金制度について言及することで所有者も考えを変えてくれるかもしれません。

また、一般家庭のブロック塀が他人を死傷させる事故をもたらした場合、民法上の工作物責任が適用される場合があり、被害者の家族や遺族に対して慰謝料を支払うことになる可能性が高いようです。

けがの治療費や慰謝料、賠償金が請求される場合もあるという現実的なことも理解してほしいところですが、これは信頼関係が築けている者同士でないと伝えるのは難しいかもしれないですね。

とにかく相手を嫌な気持ちにさせないようにうまくお願いするようにしましょう。

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