避難所生活での健康管理

長期化を見越した避難所生活での健康管理

避難所の運営に携わるのは、市町村職員、施設管理者、地域住民です。
被災地支援のために県から派遣される県職員も含みます。
こうした人達のためのマニュアルが、県ごとに防災対策として作られています。
しかし長期化する避難所生活をより安全に送るためには、運営サイドからの支援だけでなく、被災者側でも積極的な健康管理を行う必要があります。

災害が大規模であるほど避難所生活は長期化するため、健康管理は、被災者側にも衛生面での知識と予防が必要です。
建物が倒壊し土壌が荒れる被災地では、普段の生活ではありえないような細菌やウィルスに触れやすく感染しやすいためです。
居心地の悪いプライバシーが確保されない避難所での生活が長期化し、様々な体調不良やストレスによる精神不安も現れてきます。

エコノミークラス症候群、熱中症、インフルエンザ・ノロウイルス 各疾患への予防策

過去に起きた震災では、過密状態の避難所におけるエコノミークラス症候群が発症するリスクが高く、熱中症、脱水症状に加え、数々の感染症が発生し拡大する兆候もあることがわかっています。

エコノミークラス症候群の予防策は、窮屈な姿勢での寝泊りを避け、ふくらはぎをマッサージすると同時に運動し、トイレを我慢せず水分補給を心がけりことです。
土や泥に含まれる細菌が粉塵と共に人が吸い込むと、発熱・肺炎・頭痛など初期は風邪に似ていながら深刻な症状に襲われるため、マスクを着用し石鹸手洗いをするなど衛生面での注意が必要です。
いつの間にか怪我をしていることが多い状況下では、不衛生から起こる破傷風の危険があるため、手洗いやアルコール消毒が必要です。

ストレスによる持病の悪化

アレルギー、高血圧

過去の災害時には、災害後に残った病院に患者が殺到してしまうため、きちんとした治療を受けられない人も多くいました。
病床がふさがっているため、糖尿病や高血圧などの慢性疾患の持病を持つ患者が、服用するべき薬を我慢し症状を悪化させてしまうケースです。
避難所で配給される食事は、保存をよくするため塩味の強い物となっていることや、カップラーメンの汁も排水をしないよう飲み干すことを原則とされたため、多くの人に1か月もすると高血圧の症状が現れています。

こうしたビタミン不足の食生活に加え、落ち着かない環境や不安から受ける強いストレスによって持病は悪化してしまいます。
また支援物資は、アレルギー体質の子供達には対処していません。
持病のある方は、普段から自分の体調管理に必要な補助食品や、予備の薬(約2週間分)を備蓄することが大切です。

日頃からの定期健診の重要性

ストレスによる歯痛では救急車は呼べない

歯の痛みは、虫歯や歯周病以外にも精神的なストレスや疲れがたまり、体の抵抗力が落ちてきた時にも現れます。
大きな精神的ショックや急激な体力の低下により、歯の詰め物が突然取れてしまったり、過去の治療した歯に虫歯ができかけていればそれをきっかけに痛みだしたりします。
避難所では、歯磨きが思うようにできないことから、歯垢や歯石がたまりやすく歯周病が起きやすくなったり、虫歯が進行してしまいます。

日頃から歯の定期健診を行っていると、進行中の虫歯や歯周病が未然に治療されているため、非常時の際に辛い症状を極力避けることができます。
こうしたことは歯に限らず、何かしらの持病や症状が気になっている人は、なるべく日頃から定期健診を受けるようにし、体調管理に気を配っていると安心です。

防災用の薬の備え

おくすり手帳とそのコピー/医療機関との情報共有

多くの医療機関では、災害時の治療に備えて消毒薬と麻酔薬の備蓄がありましたが、過去の震災では、降圧剤やインスリンなど慢性疾患用の薬が不足してたことが判明しています。
災害時の薬不足や通院が困難な状況を踏まえて、持病や治療中で薬を常用している人は、約2週間分は余裕を見て薬を処方してもらい常備しておくべきです。

お薬手帳は、薬の名前や種類・量が分かるだけでなく、アレルギーや副作用歴もわかり、市販薬との飲み合わせも確認できます。
緊急時にすぐ持ち出せるように保険証と一緒に保管して置けば、いざという時に医療機関と情報を共有することができ処置が速くなります。
これらはコピーでも可能なため、防災セットの中に入れておいても良いです。
防災セットには、常備薬である内服薬・外用薬、体温計、熱さまシート等救急箱を常備しておくと心強いです。

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